2014年11月14日

読書探偵作文コンクール2014 最優秀賞 全文掲載

最優秀賞を受賞なさった遠藤ゆみかさん、菊池柚子さん、杉浦伶奈さんの受賞のことばと作品全文をご紹介いたします。
なお、最終選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。
読書探偵作文コンクール2014 最終選考結果発表!
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◎最優秀賞
遠藤ゆみかさん(小6) 
読んだ本――『赤毛のアン』 モンゴメリ作 村岡花子訳 ポプラ社
赤毛のアン―シリーズ・赤毛のアン〈1〉 (ポプラポケット文庫)
赤毛のアン (ポプラポケット文庫)

【受賞のことば】
『赤毛のアン』は、今まで、本を読むことの楽しさや大切さを教えてくれるとびらでした。しかし、今、私にとっての『赤毛のアン』は、文章を書くことの楽しさを教えてくれるとびらにもなりました。これからは、いろいろな努力をしてそのとびらを開いていきたいと思います。そのとびらを開くきっかけをあたえてくださってありがとうございました。

【作品】
『赤毛のアン』を読んで 

 遠藤ゆみか

そうさなとこたえるマシュウのその声が
わたしにとって最高の宝

並木道 アンが魔法をさっとかける
あっというまに歓喜の白路

いちご水 澄んだ赤色魅力的
どんなときでもそのままでいて

流行のふくらんだ袖を夢見てた
クリスマスの朝現実になった

これからの思い出の数飛んでいく
頭で割られた石板のかけら

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◎最優秀賞
菊池柚子さん(小6)
読んだ本――『赤毛のアン』 L・M・モンゴメリ作 村岡花子訳 講談社青い鳥文庫
赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)
赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)

【受賞のことば】
「私が『最優秀賞』だなんて、信じられない! これは夢かな」と何度も思いました。でも、夢じゃありませんでした。現実です。うれしい!
 私は、本が大好きです。文章を書くことも好きで、将来は作家になりたいと思っています。
 これからもたくさん本を読んで、たくさんのよい本に出会い、夢に向かって頑張ります。
 私を最優秀賞に選んでいただき、本当にありがとうございました。

【作品】
腹心の友になりたい

 菊池柚子

「もし、こうだったら。」
 こんな風に、想像してみることが大好きな少女、アン・シャーリー。アンは、誰もが知っている、有名な「赤毛のアン」の主人公です。想像力豊かなアンは、自分の名前、かみの毛の色、顔、それにやせた体まで、気に入っていません。でも、得意の想像――例えば、もし、自分の名前がコーデリアだったら、とか――をして、幸せな、いい気持ちになれば、容姿のことなんていくらでも忘れられます。もっとも、いくら想像をしても、どうしても、燃えるようなあの赤いかみの毛のことだけは、忘れられないそうですけど。
 私も、アンと同じように、
「もし、こうだったら。」
と、想像してみることがあります。私は、本が大好きなので、もし、この本の世界に入れたら、とか、もし、将来の夢である作家になれたら、とか。すると、アンのように幸せな気持ちになれるのです。
 アンはマシュウと一緒に、グリン・ゲイブルスに向かう途中、美しいものをたくさん見ます。土手に並ぶ山桜や白樺の木、大きなりんごの木の並木道。後に腹心の友になる、ダイアナ・バーリーの家の池。アンはよく、場所でも人でも、その名前が気に入らないと、自分で新しい名前を考え出します。りんごの木の並木道は、「歓喜の白路」、バーリーの池は、「輝く湖水」。さっそく、新しい名前を考え出したアンは、グリン・ゲイブルスで暮らすようになってからも、近くにある森やダイアナと作ったままごとの家など、たくさんのものに、新しい名前をつけていきます。
 私の住む大河原町には白石川の土手沿いに、「一目千本桜」という、桜並木があります。春には、川の両方の土手に桜が何キロメートルにもわたって咲きほこります。アンは、しんから美しいものを見るたびに、胸のあたりに、ずきりとする気持ちのよい痛みを感じるそうです。もしアンが、あの桜を見たら、間違いなくその痛みを感じるはずです。あの桜は、本当に、本当にきれいで、次の春が待ち遠しくてたまらないほどです。また、アンは、「一目千本桜」という名前を、絶対に気に入らないと思います。いいえ、気に入るはずがありません。もし、アンがあの桜を見たら、どんな名前をつけるんだろう? ワクワクして、想像せずにはいられません。
 もし、この世界にアンがいたら。私は、絶対友達になります。きっと学校から帰って来たら、毎日のように遊ぶでしょう。一緒にお菓子を作ったり、春には一緒に桜のお花見をしたり・・・。他には、何をしようかな?
 この本は、読むと色々なことを想像したくなる本です。「赤毛のアン」シリーズはたくさん続いているので、全巻読破し、もっとアンと――もちろん、想像の中でですけど――仲良しになりたいです。アンと、腹心の友になりたい!

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◎最優秀賞
杉浦伶奈さん(小4)
読んだ本――『ウエズレーの国』 ポール・フライシュマン作 千葉茂樹訳 あすなろ書房
ウエズレーの国
ウエズレーの国

【受賞のことば】
最優秀賞をとれて、とてもうれしいです。去年のコンクールでは、一次選考は通過できましたが、入選はできなかったので、今年はいろいろと工夫しました。起承転結を意識したり、花の名前や花について部分ごとに考えたりしました。難しかったところは、クライマックスでした。せっかくめずらしい花なので、みんなに広めた方がいいと思って、この終わり方にしました。また来年もちょう戦したいです。

【作品】
創作「不思議な花ピレク」


 春風島のくすの木小学校に、だれよりも花が大好きな五年生の女の子がいました。名前は「カスミ」といいます。カスミは、無口でおとなしい女の子です。学校では、花のことを調べるために、図書室で本を読んでいます。カスミの部屋には十九種類の花が咲いています。そして、ネコのジャスミンちゃんは、気持ちよさそうにソファーで寝ています。本当は外に花を並べていたのだけれど、お兄ちゃんがサッカーボールをぶつけてわってしまうので、カスミの部屋に運んできたのです。それにお母さんも、今、ヨガにはまっていて、カスミにも花なんか育ててないでヨガをしなさいといってきます。でも、お父さんは、カスミの味方です。お父さんも花が好きで、特にサボテンを大事にしています。
 ある春の夜、暖かい風がふいてきました。空にはおぼろ月。みんながねしずまった頃、南の風にのって、八つの小さな種が飛んできました。そして、カスミの家の庭に、そっとおりました。それを見ていたのは、部屋の窓にいたジャスミンちゃんだけでした。
 次の朝、カスミちゃんが庭を見てみると、赤、ピンク、緑の横じまの線が入った芽が出ていました。それを見つけたカスミはお兄ちゃんにつぶされないように、まわりをレースの布でかこってハウスをつくって育てることにしました。お兄ちゃんはカスミのようすをみて、「これからは、サッカーは別の場所でやろう」と思いました。お母さんは、「また植物を育てているの」と、あきれて早くヨガを教えたいといったようすでした。でもお父さんは、「まあまあ」とお母さんにいいながら、カスミのことを「天才だ」とほめました。カスミは、ライバルのお父さんにほめられて、照れくさくなりました。
 カスミは、畑をドーナッツ型にたがやしました。育てているうちに八つあった芽は、二つかれてしまいました。カスミはかなしかったけれど、まだ、花が五つあるので、あきらめませんでした。
 カスミは、学校で友達の杏子に植物のことをこっそりいいました。「その花は図かんにのっていないめずらしいはなだよ。」杏子は、その話を聞くと、見てみたくなりました。杏子は急いで家に帰って、ランドセルをおき、ウキウキしながらカスミの家にむかいました。
「おーい、かすみー!」と庭のハウスにむかって大きな声で呼びました。カスミが「どうぞ」とこたえると、杏子は入口の布をそっとあけて中に入りました。すると、太陽の光で、植物が銀色にかがやいて見えました。杏子の目もキラキラしていました。カスミはじまんげに、「すごいでしょ!」と、言いました。花はふわふわとして綿菓子のようです。色はピンクと、赤と緑がまざったやさしい色をしています。くきにはとげがあって、水色の葉っぱがつるのようにまきついています。その葉っぱをつむと、しょうがのような、少し辛い香りがしました。カスミは、この植物に「ピレク」と名づけました。
 カスミは、ピレクをたくさんの人に知ってもらいたいと思い、新聞を書くことにしました。カスミは毎日、観察したり、実験もしました。例えば、くきは炒めると汁が苦いので、生で食べたほうがきゅうりの味に似て美味しいことや、花はミルクと混ぜてアイスにすると美味しいということも分かりました。
 夏が終わる頃、二人は花がかれていることに気がつきました。二人はがっかりして、カスミは新聞を書くのをやめてしまいました。 
 しかし、二週間後のことです。枯れた花の横に小さな実が落ちていました。カスミは、大喜びで種を観察して、また新聞を書き始めました。カスミは、おそるおそる種をかじってみました。しかし、実は固かったのでいろいろな料理にしてみることにしました。いためるとしょっぱくて、ふかすと甘くなりました。あげると辛くなり、乾燥させると苦い味になります。いろいろな味が出るので、いろんな料理に使うことが出来ました。
 そして、三週間後、やっと『ピレク新聞』が完成しました。カスミと杏子は、学校や近所の人に新聞を配りました。すると、たちまちピレクは評判になり、みんながピレクを育ててみたい、食べてみたいと言いました。
 ある日、カスミは、「杏子が良ければ、いっしょにいろいろな国をまわってピレクをひろめない?」といいました。「私たちまだ十一歳だよ。でも行きたい!」杏子も賛成してくれました。二人のお母さんは反対しましたが、お父さんたちは、旅をしながらしっかり勉強してきなさいといって許してくれました。
 そして、よく晴れた朝です。杏子がカスミをむかえに来ました。「忘れ物はない?花は持った?」「うん!杏子、いこう!」「お父さん、お母さん、行ってきます。」二人はたくさんのピレクの花と実を持って、元気よく出発しました。こうして、カスミと杏子の旅が始まったのです。

杉浦伶奈 「ピレクの紹介1」.jpg

杉浦伶奈 「ピレクの紹介2」.jpg

あとがき「ウエズレーの国の話を読んで」
 杉浦伶奈

 私は、夏に『ウエズレーの国』という絵本を読みました。ちょっと変わった男の子のウエズレーが、不思議な花を育てて、文明を作ってしまうお話です。
 私は、ウエズレーはかわった男の子だけれど、文明を作って町の男の子たちにそんけいされて、仲間をたくさんつくったところが一番面白かったです。
 私も、不思議な花の実をしぼってジュースにする機械を作ったり、日時計を作ったりしたウエズレーのことをすごいと思いました。
 私も、不思議な植物を育てて、洋服やカップを作ったりしたくなりました。
 そこで、私も物語を作りました。物語作りで工夫したところは、登場人物の一人ひとりの性格をくわしく書いたところです。あと、不思議な植物の『ピレク』も、花、くき、葉の一つ一つの色や形、手ざわり、におい、味をていねいに考えました。
 私は、この物語を完成させて、もっと物語を作ってみたくなりました。私と同じように、『ウエズレーの国』を読んで面白いと思った人にも、自分で想像した植物の物語を書いてもらいたいです。

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 最優秀賞を受賞なさった3人のかたには賞状と5000円ぶんの図書カードをお送りいたします。
 あらためて、おめでとうございます!

読書探偵作文コンクール2014 優秀賞・ニャーロウ賞 全文掲載

 優秀賞を受賞なさった内山満里菜さん、鈴木たからさん、原口徠未さん、ニャーロウ賞を受賞なさった石田葵さんの作品全文をご紹介いたします。
 なお、最終選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。
読書探偵作文コンクール2014 最終選考結果発表!
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◎優秀賞
内山満里菜さん(小4)

読んだ本――『アッホ夫婦』 ロアルド・ダール作 柳瀬尚紀訳 評論社
アッホ夫婦 (ロアルド・ダールコレクション 9)
アッホ夫婦

【作品】
ロアルド・ダールの秘密

内山 満里菜

 私は、ロアルド・ダールさんの『アッホ夫婦』をえらびました。なぜなら、この本が、一番おもしろかったからです。
『アッホ夫婦』は、さるをかっているひどい夫婦の話です。木のえだに強いのりをぬって鳥をつかまえて、パイにして食べてしまったり、るすの間、さるにずっとさか立ちをさせたりします。また、二人は仲が悪く、だんなさんにミミズ入りのスパゲッティーを食べさせたり、おくさんにふうせんをつけて、空にとばしたりします。
 この本を書いたロアルド・ダールさんは、他に『ぼくのつくった魔法のくすり』や、『チョコレート工場の秘密』など書いています。どれも、常識はずれで楽しいお話です。けれど、残こくなところもあります。たとえば、『アッホ夫婦』では、夫婦は、最後に、「ちぢみ病」にかかり、あまりにちぢみすぎて、消えてしまいます。
 こんなお話を書いたロアルド・ダールさんについて、もっと知りたくなったので、わたしは、クリス・ポーリングさんの『ダールさんってどんな人?』という本をよみました。ダールさんは、もともと大人向けの本を書いていました。その前は、戦闘機に乗っていました。げきついされましたが、手術をしていきのびました。そのとき、とりだした大たいこつを机にのせて文ちん代わりにしていたそうです。きっと、ダールさんは、面白い本を書いていたので、実際にそうしたことをやってみたかったのだとおもいます。やがて、ダールさんは、子供向けの本もかくようになりました。しかし、周りの大人に、子供に悪い影響があると反対されました。それでも、ダールさんは本を書き続け、作品が映画になるほどでした。
 ダールさんの本をよまなくても、子供たちは、いたずらをします。私も家の中では、友達をびっくりさせたり、ものをかくしたりします。また、妹にも、ものをかくされたりします。でも、私はおこりません。それどころか、楽しくなります。なぜなら、遊んでいる気持ちになるからです。いじめのようないたずらはよくありません。なぜなら、する人もされる人も、楽しい気持ちにならないからです。いたずらをするなら、楽しい気持ちになるいたずらにしたいです。でも、もちろん、アッホ夫婦みたいにやりすぎてはいけません。
 本を読むといろいろな世界に行けます。ダールさんの世界は、楽しくて、少し残こくな世界です。ダールさんの本を読み終えると、元の世界にもどってきてよかったと思います。ダールさんは、頭の中で、何才にもなれると言っていました。子供のようになれる大人は、あまりないと思います。子供っぽくなりたくないけれど、ダールさんのように、明るい想像力をもって生きたいです。

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◎優秀賞
鈴木たからさん(小3)

読んだ本――『シャーロック=ホームズ全集(1)緋色の研究』 コナン・ドイル作 各務三郎訳 偕成社
緋色の研究 シャーロック=ホームズ全集 (1)
緋色の研究 シャーロック=ホームズ全集 (1)

【作品】
わたしのあこがれシャーロック・ホームズ

鈴木たから

 ほんやく書のミステリーとして一番わたしがあこがれているのは、アーサー・コナン・ドイルが生み出した作品「シャーロック・ホームズ」です。
 なぜ、わたしがシャーロック・ホームズを好きなのかというと、すぐれたどうさつ力に、かんさつ力、それにどんな時にも冷静にたいしょできる所にあこがれているからです。初めてシャーロック・ホームズ第一かん「緋色の研究」を読んで、すごく感動して、そのしゅんかんから、わたしはすぐに“シャーロッキアン”つまりシャーロック・ホームズのねっきょう的ファンになりました。初めは、へんな動きをしたかと思うとすぐにたんていらしくなっていく「シャーロック・ホームズ」にどんどん引かれていってしまいました。それに、とても小さな手がかりを元にそれをつなぎあわせて色々な事けんをかいけつしていくシャーロック・ホームズをどんどん好きになっていきました。そして、一番わたしが気に入ったホームズのせりふは「世の中はもつれた糸かせのような物。その中には『真実』という名の赤い色の糸がまじっている。ほかの糸をときほぐし、それをとり出すのがわたしの一生の仕事だ。」というものです。とってもカッコよかったです。わたしはシャーロック・ホームズを生み出してくれたアーサー・コナン・ドイルにとても感しゃしたいです。なぜかというと、コナン・ドイルがいないと、わたしのもっとも、あこがれているたんていシャーロック・ホームズも生まれていないのと同じになるからです。
 最後にアーサー・コナン・ドイル様。「わたしはあなたの書かれたシャーロック・ホームズにとてもあこがれています。あなたに一度でもいいから会ってどんなかたかお目にかかりたかったです。わたしはどんな事があってもあなたとシャーロック・ホームズをほこりに思います。わたしもあなたのようなミステリー作家になるためがんばります。天国でお幸せに。たからより」

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◎優秀賞
原口徠未さん(小3)

読んだ本――『ただいま! マラング村:タンザニアの男の子の話』 ハンナ・ショット作 佐々木田鶴子訳 徳間書店
ただいま! マラング村: タンザニアの男の子のお話 (児童書)
ただいま! マラング村: タンザニアの男の子のお話

【作品】
幸せになったツソ

はらぐち くるみ

「バケツいっぱいにはいった水を、一てきもこぼさずに、はこばなければいけないなんて、私にはできない。」
 私は、物語を読みはじめて、すぐにびっくりしてしまいました。
 ツソは、タンザニアにすむ四さいの男の子です。お父さんとお母さんがいなくて、おばさんのところでくらしています。でも、おばさんの家はまずしいので、ツソも水くみの仕事を毎日しなくてはなりません。
「重くてたいへんなバケツを四さいのツソがもちあげるなんて。」
 私は、ツソがかわいそうだと思いました。
 でも、ツソはもっともっとたいへんなけいけんをします。八さいのお兄ちゃんと、家出してしまうのです。私は、
「家出をして生きていけるのかな?お金をもっていないのに大丈夫かな?」
と、心配になりました。
 そして、心配していた通り、もっと大変なことがおきました。大きな町に行くためにバスに乗ろうとしたツソは、お兄ちゃんとはぐれてしまったのです。ツソが、お兄ちゃんとはぐれて、泣きそうになっているのに、バスの運転手さんが、
「おまえたち、とちゅうでいりたまごみたいになってしまうぞ! さあ、おりるんだ!」
と、どなったり、お客さんたちも、笑ったりしているのが、とても悲しかったです。
 それからツソは、四年間、道端でくらします。「小さい子が、一人で、道端でくらすなんて考えられない。」と、おどろきました。そして、なんで小さい子がこまっているのに、大人たちは助けないんだろうと、とてもふしぎでした。
 しかたなくツソは、お店の食べ物をぬすんで、生きていきます。そして、あんなに大好きだったお兄ちゃんの顔もうかんでこないなんて、なんでだろうと、悲しい気持ちになりました。
 でも、ツソは、とても幸運でした。なぜなら、病気の人や、こまっている人の世話をしてくれる、シスターたちに出会って、きしゅくしゃで、勉強しながら、くらすことができるようになったからです。きしゅくしゃは、たくさんの子どもたちがいて、きれいなせいふくをきて、あたたかい料理をたくさんたべることができます。私は、ツソがきしゅくしゃに入れてよかったなと、うれしくなりました。
 そして、ツソは、勉強がとても好きで、お話を聞いたり、本を読むのが好きでした。私も、勉強も、本を読むのも大好きです。ツソが、どんどん勉強ができるようになっていって、すごいと思いました。とくに、ツソが、生まれてはじめてかいた、お気に入りのキリンの絵がとても上手で、びっくりしました。
 大きくなったツソは、一人で考えて、マラング村へ帰る決心をしました。私は、ツソが道に迷わないか、心配になりました。けれど、ツソはかしこくなったし、ゆう気があるから大丈夫だと思いました。そして、さいごに、大好きだったお兄ちゃんに、また、会うことができました。ツソがちゃんと家に帰れて、お兄ちゃんと会えて、本当にしあわせになれてよかったなと思いました。
 私は、この話を読んでいる時、ずっと本当の話ではないと思っていました。小さい子が一人で、道ばたでくらすなんてありえないと思ったからです。だから、ハンナ・ショットさんのあとがきを読んで、本当の話だと知っておどろきました。でも、本当にツソがいて、高校生になっているのがわかってうれしくなりました。
 私は、ツソのように道ばたでくらしている子どもたちのことや、シスターや、ユッタママ、そして、幸せになったツソのことを忘れずに思い出したいです。
 わたしは、「ただいまマラング村」を読んで、作者がツソにした質問に答えてみました。

 お名前は?
――原口徠未です。
 
 学校で好きな科目は?
――国語、算数、理科、社会です。
 
 好きなスポーツは?
――ドッジボールと、すいえいです。
 
 すきなたべものは?
――きんぴらごぼうです。
 
 ペットはいますか?
――いいえ、いません。本当はチワワをかいたいです。
 
 すきな動物や、こわいと思う動物は?
――すきな動物は、人になついてくれてるライオンで、こわいと思う動物は、コブラです。
 
 自分のへやはありますか?
――あります。自分のへやで、ピアノの練習をしたり、なにかをつくったりします。
 
 ゲームは好きですか?
――はい。すきだけれどDSはもっていません。ゲームコーナーにあるゲームが好きです。
 
 大きくなったら何になりたいですか?
――画家か、ピアニストです。
 
 もし自分以外のだれかになれるとしたら、だれになりたいですか?
――ドラえもんになりたいです。なぜなら、未来のどうぐで、こまっている人を助けられるからです。
 
 いやなことはなんですか?
――世の中で事件がおきたときです。なぜなら、人が死んでいくのがいやだからです。 
 
 もし、この世から何かをなくすとことができるとしたら、なにをなくしたいですか?
――しぜんさいがいをなくしたいです。地しんや、台風で、人がなくなるのがいやだからです。
 
 どんなときが幸せですか?
――学校にいってる時です。みんなといっしょにいられるからです。

(注:個人情報にかかわる質問と答えは割愛しました。――読書探偵作文コンクール事務局)

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◎ニャーロウ賞
石田葵さん(小1)

読んだ本――『きょうはみんなでクマがりだ』 マイケル・ローゼン作 ヘレン・オクセンバリー絵 山口文生訳 評論社
きょうはみんなでクマがりだ (児童図書館・絵本の部屋)
きょうはみんなでクマがりだ

【作品】
きょうはみんなでくまがりだのつづき

いしだ あおい

 きょうはみんなでくまがりだ。
 くまをつかまえたいけどこわくてつかまえられないんだ。そしてくまはいえにむかってはしっていきました。
 きょうはみんなのいえにいく。みんなぼくをこわがるにきまってる。おや、くさむらだ。うえをこえてはいかれない。したをくぐってもいかれない。こまったぞ。とおりぬけるしかないようだ。
 ぱさぱさぱさ ぱさぱさぱさ
 ぱさぱさぱさ
 きょうはみんなのいえにいく。みんなぼくのことこわがるにきまってる。おや、きれいなきれいなおはなばたけ。うえをこえてはいかれない。したをくぐってもいかれない。こまったぞ。とおりぬけるしかないようだ。
 かさかさかさ かさかさかさ
 かさかさかさ
 きょうはみんなのいえにいく。みんなぼくのことこわがるにきまってる。おや、のはらだ。うえをこえてはいかれない。したをくぐってもいかれない。こまったぞ。とおりぬけるしかないようだ。
 てくてくてく てくてくてく
 てくてくてく
 きょうはみんなのいえにいく。みんなぼくのことこわがるにきまってる。おや、おおきなおおきなき。うえをこえてはいかれない。したをくぐってもいかれない。こまったぞ。とおりぬけるしかないようだ。
 ぐらぐらぐら ぐらぐらぐら
 ぐらぐらぐら
 がちゃ。
 あ、くまさん。
 ともだちになろう。
 いいよ。
 こうしてみんなとくまはなかよくたのしくくらしました。

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 優秀賞を受賞なさったかたには賞状と1000円ぶんの図書カードを、ニャーロウ賞を受賞なさったかたにはニャーロウからの賞状とプレゼントをお送りいたします。
 あらためて、おめでとうございます!

2014年11月02日

読書探偵作文コンクール2014 最終選考結果発表

 お待たせしました、読書探偵作文コンクール2014の最終選考結果を発表いたします!
 
 今年は昨年をさらに上回る、155作の応募がありました。10月初旬に行われた第1次選考の結果、13作品が選ばれ、去る10月28日に最終選考会がおこなわれました。
 最終選考委員は今年も、翻訳家の越前敏弥さん、ないとうふみこさん、宮坂宏美さんにお願いしました。3時間近くにおよぶ議論の末に入選となったのは、以下の7作品です。
 入選されたみなさん、おめでとうごさいます!

最優秀賞 遠藤ゆみかさん(小6) 「『赤毛のアン』を読んで」
最優秀賞 菊池柚子さん(小6) 「腹心の友になりたい」
最優秀賞 杉浦伶奈さん(小4) 創作「不思議な花ピレク」あとがき「ウエズレーの国の話を読んで」
優秀賞 内山満里菜さん(小4) 「ロアルド・ダールの秘密」
優秀賞 鈴木たからさん(小3) 「わたしのあこがれシャーロック・ホームズ」
優秀賞 原口徠未さん(小3) 「幸せになったツソ」
ニャーロウ賞 石田葵さん(小1) 「きょうはみんなでくまがりだのつづき」

 最優秀賞受賞者には賞状と5000円ぶんの図書カード、優秀賞受賞者には賞状と1000円ぶんの図書カード、ニャーロウ賞受賞者にはニャーロウからの賞状とプレゼントを、後日お送りいたします。 
 残念ながら選にもれたみなさんへも、後日、参加賞と第1次選考委員からの個別コメントをお送りいたします。
 今年も、さまざまな形式の作文が届きました。物語のつづきや前日譚を考えてくれた作文、作者や登場人物への手紙形式の作文、物語の世界を表現した短歌やカルタ、作文にくわえて絵や四コマ漫画をかいてくれた人もいました。物語からアイデアを得た創作では、上下巻にわかれた力作もありました。
 本を読んで考えたこと、感じたことを、生き生きと表現した作文は、どんな形式であれ、読む人の心にひびくものです。選考委員一同、感心したり、わらったり、驚いたり、とても楽しく読ませていただきました。
 応募してくれたみなさん、本当にありがとうございました。

赤毛のアン―シリーズ・赤毛のアン〈1〉 (ポプラポケット文庫)  赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)  ウエズレーの国

アッホ夫婦 (ロアルド・ダールコレクション 9)  緋色の研究 シャーロック=ホームズ全集 (1)  ただいま! マラング村: タンザニアの男の子のお話 (児童書)  きょうはみんなでクマがりだ (児童図書館・絵本の部屋)


なお、今年の参加賞は、このクリアファイルです。

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読書探偵作文コンクール2014 最終選考会レポート&総評

 今年の最終選考会のもようをお伝えします。

 まずは第1次選考を通過した13作品を、低学年から順に1作品ずつ、最終選考委員全員で検討していきました。今年は同じ本やシリーズを読んで書かれた作品もありましたが、作文自体はバラエティに富み、それぞれ工夫のこらされたタイプのちがう作品だったので、「全部の作品に賞をあげたい」と選考委員の方がおっしゃるほど、受賞作を選ぶのは難航しました。
 そんな接戦の選考を通過して、見事受賞された7作品については、これから順次、こちらのサイトで全文を掲載させていただく予定です。

 最終選考にのこった13作品それぞれについて、選考委員3名からの感想やアドバイスを紹介します。

石田葵さん(小1)
読んだ本――『きょうはみんなでクマがりだ』 マイケル・ローゼン作 ヘレン・オクセンバリー絵 山口文生訳 評論社
きょうはみんなでクマがりだ (児童図書館・絵本の部屋)
きょうはみんなでクマがりだ

宮坂「もとの本をうまくアレンジしていますね。出だしに少し分かりにくさがありましたが、リズムがそろっていて、読んでいて楽しかったです」
越前「韻をふんでいて、絶妙のタイミングで擬声語や擬態語が入り、最後まで楽しく読めました。もとの本を読みたくなる、いい作文ですね」
ないとう「クマさんと友だちになるという急展開がおもしろいです。本の見返しのさびしいクマの後ろ姿が気になったのかな。もとの本をよく読みこんでいるのだろうな、と感じました」


田中思帆さん(小1) 
読んだ本――『ゆきのふるよる』 ニック・バトワース作 はやしまみ訳 金の星社
ゆきのふるよる (世界の絵本ライブラリー)
ゆきのふるよる

ないとう「物語の世界に入りこんだことがよくわかる作文です。読みながらニコニコしてしまいました」
宮坂「楽しい作文でした。わたしだったらどこで動物たちに寝てもらおうか、と考えたところがいいですね」
越前「本の雰囲気をよくとらえた、あたたかい感じのする作文。最後、自分にひきつけた話の締め方がうまいですね」


鈴木たからさん(小3)
読んだ本――『シャーロック=ホームズ全集(1)緋色の研究』 コナン・ドイル作 各務三郎訳 偕成社
緋色の研究 シャーロック=ホームズ全集 (1)
緋色の研究 シャーロック=ホームズ全集 (1)

ないとう「文章のあちこちから、翻訳書を読みこみ、言葉が血肉になっている感じが伝わってきました。ぜひシリーズ全巻を読破して、どんどん文章を書いてほしいです」
宮坂「シャーロック・ホームズへの愛があふれていて、立派なシャーロキアンですね。大好きなせりふや作者へのメッセージが書かれていたところもよかったです。将来本当にミステリー作家になるのでは、と思わせてくれる作文でした」
越前「『緋色の研究』の内容について一言も書かれていないけれど、それでもいいかと思わせる、作者と探偵への思いが一直線に書かれている作文。あらすじをまとめた作文とは対極にあり、印象に残りました。翻訳ミステリーの世界へようこそ!」


原口徠未さん(小3)
読んだ本――『ただいま! マラング村:タンザニアの男の子の話』 ハンナ・ショット作 佐々木田鶴子訳 徳間書店
ただいま! マラング村: タンザニアの男の子のお話 (児童書)
ただいま! マラング村: タンザニアの男の子のお話

越前「印象的なせりふから入る、導入部分がうまいですね。あらすじのまとめ方と感想の入れ方のバランスもいい。最後に自分とツソを比べてどう感じたのかが一言あるとよかったかな」
ないとう「物語に寄り添って読んでいることが伝わってきました。最後のQ&Aに自分も答えてみるという発想が、すごくいいです。読んでいて気持ちのいい作文でした」
宮坂「文章が上手で、冒頭からひきつけられました。この本を読んでタンザニアの現状を知ったとのこと、翻訳書を読むことで海外に目を開かれるというのはすばらしいですね」


森井亜希さん(小3)
読んだ本――『ジュディ・モードはごきげんななめ』 メーガン・マクドナルド作 宮坂宏美訳 小峰書店
ジュディ・モードはごきげんななめ (ジュディ・モードとなかまたち)
ジュディ・モードはごきげんななめ

宮坂「トイレのいたずらのシーンでこんなにいろいろ想像してくれたなんて、訳者としてうれしいです。楽しんで読んだことが伝わってきました。絵がとにかく上手ですね。吹き出しに書かれた予想、当たっていると思いました」
越前「短いけれどもとの本を読みたくなる作文でした。シリーズへの愛が伝わってきます。絵をカラーにしたり、吹き出しを自分でデザインしたりしているのもいいですね」
ないとう「作文で取り上げているエピソードはひとつだけですが、きっととても印象に残ったのでしょう。いたずらに対してはらはらする気持ちが伝わってきました。絵がいいですね」


内山満里菜さん(小4)
読んだ本――『アッホ夫婦』 ロアルド・ダール作 柳瀬尚紀訳 評論社
アッホ夫婦 (ロアルド・ダールコレクション 9)
アッホ夫婦

ないとう「よく読みこんでいますね。ダールのえぐさ、悪夢っぽさを感じて、それをおもしろがって、読み終えたときにほっとした、その感じが伝わってきました。短いけれどよくまとまっています」
宮坂「本を読み、作者に興味をもって、さらに伝記も読むという発展がすばらしい。ダールの本をきちんと批評できているところにも、頼もしさを感じました」
越前「本をきっかけに、その作者について調べる意欲に感心しました。興味のあることなら、少々難しくてもどんどん読んでいける、そのプロセスが作文に現れていて、読書の理想形だと思いました」


きたパタさん(小4) 
読んだ本――「ハリー・ポッター」シリーズ J・K・ローリング作 松岡佑子訳 静山社

ハリー・ポッターと賢者の石 (1)
ハリー・ポッターと賢者の石

宮坂「スネイプへの愛情がいいですね。スネイプの説明もよく書けています。シリーズを読み通して、悪者が悪者ではないことにびっくりしたことが伝わってきました」
越前「悪役とされていた人物の正体がわかる、そこに焦点を当てたのはすごいことだと思います。もとの本を読みたくなるけれど、ネタバレにもなっていて、複雑な気持ちです。これからも壮大な物語を読んでいってもらいたい」
ないとう「タイトルを見てニマニマしてしまいました。ずっと悪者だと思っていた人物への驚きが、作文全体から伝わってきました。ハリーでもハーマイオニーでもロンでもなく、スネイプに焦点を当てたのがすばらしい」


杉浦伶奈さん(小4)
読んだ本――『ウエズレーの国』 ポール・フライシュマン作 ケビン・ホークス絵 千葉茂樹訳 あすなろ書房
ウエズレーの国
ウエズレーの国

越前「最初、もとの本のことはどこにいっちゃったのだろうと思っていたら、あとがきがついていて驚きました。期待感をあおる構成です。創作については、キャラクターがしっかりしていて、よく書けていました。なにもないところから、ここまでのものを生み出したのはすばらしい。荒削りな部分もありましたが、磨けば光りそうです」
ないとう「もとの本を下敷きにしながら、細かい設定まできちんと考えたうえで、物語にしているところがいいですね。想像力の豊かさが伝わってきました。昨年からの成長ぶりもすばらしい」
宮坂「創作、作文、そして図まで、力作ですね。1冊の絵本から、ここまで想像をふくらませるなんてすごい。こちらも想像をかきたてられる物語でした。文章としては読みにくいところもありましたが、創作力がすばらしいです」


ひびきさん(小4)
読んだ本――『つきのぼうや』 イブ・スパング・オルセン作 やまのうちきよこ訳 福音館書店
つきのぼうや (世界傑作絵本シリーズ・デンマークの絵本)
つきのぼうや

越前「もとの本への興味をかきたてられました。月の話なのに太陽が出ているなど、楽しいですね。もう少したくさん作ってほしかったです」
ないとう「カルタという形を思いついたことがすばらしいです。だ、ま、あ、を選んだのはどうしてでしょう? あ行がそろっていてもよかったかな」
宮坂「カルタを作るという発想は、ユニークで楽しいですね。読み札と絵が、もとの本の内容紹介にもなっていました。感想があるともっとおもしろかったかも」


遠藤ゆみかさん(小6)
読んだ本――『赤毛のアン』 モンゴメリ作 村岡花子訳 ポプラ社
赤毛のアン―シリーズ・赤毛のアン〈1〉 (ポプラポケット文庫)
赤毛のアン

ないとう「現代短歌になっているところが新鮮で、すばらしいです。特に最後の歌には本当に感心しました」
宮坂「本のなかで印象に残ったことが伝わってくる短歌です。『石板のかけら』が『思い出の数』になるところなど、詩的ですね」
越前「情景、特に色が目に焼きつくような短歌で、完璧です。視覚的効果をねらったかのようなすばらしさ。アンを読みたくなる歌でした」


菊池柚子さん(小6)
読んだ本――『赤毛のアン』 モンゴメリ作 村岡花子訳 講談社
赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)
赤毛のアン

宮坂「作文にあった大河原町はわたしのふるさとでもあるので、菊池さんの気持ちがよくわかりました。体言止めを効果的に使っていて、文章のリズムもいいですね。ぜひシリーズを全巻読破してもらいたいです」
越前「バランスよくまとまっているだけでなく、そこに情熱と愛情がこもっていることがすばらしい。アンも読みたくなるし、大河原町にも行ってみたくなる作文でした」
ないとう「ストーリーには踏み込んでいないものの、アンがどういう子かよく伝わってきました。一目千本桜に代わる名前の案を考えてほしかったな。むだなつなぎの言葉がなくて、文章のうまさに感心しました」


杉内雅奈さん(小6)
読んだ本――『ハリー・ポッターと死の秘宝』 J・K・ローリング作 松岡佑子訳 静山社
「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
ハリー・ポッターと死の秘宝

越前「言葉が豊かで、文章のルールもしっかり守っている、本格的な創作ですね。過去形と現在形を使い分けて、うまく臨場感を出しています。普段からたくさん本を読んでいるのでしょう」
ないとう「自分のなかで蓄積されたハリーやハーマイオニーなどのキャラクターが投影されています。会話が生き生きしていて、文章のうまさに目をひかれました」
宮坂「おもしろい作品を読むと、続きを考えたくなりますね。楽しく書いたことが伝わってきました。最後は、え? それから? というところで終わってしまうので、先が気になりました」


匿名希望さん(小6)
読んだ本――『マザー・グースのうた』 堀内誠一絵 谷川俊太郎訳 草思社
マザー・グースのうた 第1集 おとこのこってなんでできてる おんなのこってなんでできてる
マザー・グースのうた 第1集

ないとう「祖母から母へ、母から娘へと本が受け継がれていくなんて、すてきですね。ナンセンスな世界を、借りてきた言葉で説明するのではなく、自分の心の動きをていねいに追って書いているところがすばらしいです」
宮坂「楽しんで読んだことがよくわかり、マザー・グースを知らない人にも魅力が伝わる作文です。読んだきっかけから、本の説明まで、過不足なく書かれていて、文章が上手だと思いました」
越前「全体的にあたたかい感じがしました。正攻法でがちっと書かれた作文で、とても分かりやすい。マザー・グースには毒や笑いもあるので、もう少しはじけたところがあってもよかったかな」

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【総評】

越前「今年もまた、翻訳書のおもしろさをさまざまな形でつたえてくれる数々の作文に出会えて、うれしく思いました。中には、ああ、この人はまちがいなくたくさん本を読んでいるな、翻訳書もいっぱい読んでいるな、とひと目でわかるような、豊かな表現がちりばめられた作文もいくつかありました。自分たちが訳した外国の本が、みなさんの血となり、肉となり、そして心となっていく過程を見ることができるのは、翻訳の仕事をしている者として、何よりうれしいことです。また来年もぜひおうぼしてください」

ないとう「今年もまた作文や、創作や、絵や、かるた、短歌、翻訳などなど、たくさんの作品を送ってくださってありがとうございました。心から楽しんで読ませていただきました。ひとつ強く感じるのは、どんな形の作品であれ、「この本が好き! おもしろさを伝えたい!」という強い思いが土台になっているものには、やはり自然に人の心を打つ力があるということです。だから今年出会った本を入り口に、またみなさんどんどんおもしろい本をさがしあてて、楽しく読書してくださいね。来年、またそのなかからよりすぐりの1冊のことを、いろんな形で教えてくれたらとってもうれしいです!」

宮坂「3つの最優秀賞のうちの2つが『赤毛のアン』について書かれたものになりましたが、もちろん、朝ドラの『花子とアン』が人気だったから……ではなくて、どちらもそれぞれにすばらしい内容だったからです。『ウエズレーの国』について書かれた、もうひとつの最優秀賞作品も、これまた選考委員をうならせる力作でした。その他の入選作、そして選外となった作品も、本のおもしろさが伝わってくるものばかりで、読んでいてほんとうに楽しかったです。これからもぜひ本に親しんで、自分の世界を広げていってもらえたらと思います」


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 (左から、宮坂さん、越前さん、ないとうさん)
 最終選考委員の方々、どうもありがとうございました。

 作文を書いてくださったみなさん、ありがとうございました! 今年もすばらしい作品がたくさん集まり、充実したコンクールとなりました。これからも、すばらしい本と出会ったときには、ぜひ作文を書いてみてください。5年生以下のみなさんには、来年も応募していただけたらうれしいです。こちらのサイトでもニャーロウとなかまたちが、これからもおすすめの本を紹介していきますので、参考にしてください。