2020年08月19日

この本、どうかニャ? 『桜の木の見える場所』

パオラ・ペレッティ作 関口英子訳 小学館
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 マファルダは目の病気にかかっています。少しずつ悪くなっていて、近いうちにまったく見えなくなってしまうと、お医者さんに言われました。

 でも、この本はかわいそうな女の子の話ではありません。マファルダはまだ9歳ですが、自分の運命にしっかり向きあっています。落ちこんだときは、ねこのオッティモ・チュルカレをぎゅっとだきしめます。

 そんなマファルダをささえてくれるのは、小学校で用務員をしている外国出身のエステッラと、ひとつ年上で、すぐカッとなるため、みんなから問題児あつかいされているフィリッポでした。エステッラはほんとうのことしか言わないし、フィリッポはマファルダのなやみをいつも軽々と解決してくれるのです。

 病気が進むにつれて、できなくなってしまったことがどんどんふえていき、マファルダは考えます。ほんとうに大切なものはなんだろう?……と。

 作者のパオラさんもマファルダと同じ病気とたたかっていて、この物語はパオラさんの体験がもとになっているそうです。

(ことり)

桜の木の見える場所
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2020年08月06日

この本、どうかニャ? 『子どものための美術史 世界の偉大な絵画と彫刻』

ヘザー・アレグザンダー文 メレディス・ハミルトン絵 千足伸行監訳 野沢佳織訳 西村書店
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  わたし、絵をかいたり物を作ったりするのがにがてで、美術ってちょっとハードルが高いような気がしてたの。ところがね、そんなわたしにも楽しめる、すてきな本を見つけちゃった!

 アメリカで子ども向けに出版された、美術史の絵本よ。大むかしのどうくつ壁画から20世紀のポスターまで、さまざまな作品やスタイルがしょうかいされてるの。絵や彫刻を見るポイントがわかりやすく書かれていて、なるほど!って思うことのれんぞく。芸術家たちの生き方も知ることができて、おもしろいわよ。

 なにより、芸術作品のうけとめ方は、見る人の自由なんだって思えるところが気にいって、わくわくしながら読んだわ。「ワークショップコーナー」には、てがるにできる作品づくりの手順も書いてあるから、やってみてね!

 しょうかいされている芸術家は、ヨーロッパやアメリカの人が多いけど、日本人も1人出てくるのよ。さて、それはだれでしょう? ぜひ、ごらんあれ!

(プケコッコ)

子どものための美術史 世界の偉大な絵画と彫刻
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2020年02月13日

この本、どうかニャ? 『真夜中の妖精(トゥートゥルとふしぎな友だち1)』

湯湯作 野素子訳 平澤朋子絵 あかね書房
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 中国うまれのファンタジーを紹介します。
 
 主人公のトゥートゥルは、お正月に村の広場で何日もおこなわれるしばいがだいすき。とてもにぎやかだし、屋台では酢とトウバンジャンをたっぷりいれたおいしいワンタンも食べられます。

 ある年のお正月、トゥートゥルは広場にある池のほとりでふしぎな女の子に出会いました。池のまんなかで、むちゅうになってしばいを見ているその子は、なんと池の妖精でした。ふたりはなかよくなって、毎晩いっしょにしばいを楽しみます。ところが、池に妖怪がでるといううわさがひろまって……。

「トゥートゥル」という名前は「じゃがいも」という意味です。おかっぱ頭のかわいい女の子トゥートゥルが、どうしてじゃがいもなのでしょう? 答えは本を読んでのお楽しみ!

「トゥートゥルとふしぎな友だち」シリーズの2作目、『なかなおりの魔法』もおすすめですよ。

(コアラン)

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2020年01月21日

この本、どうかニャ? 『嵐をしずめたネコの歌』

アントニア・バーバー作 ニコラ・ベイリー絵 おびかゆうこ訳 徳間書店
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 イギリスの小さな漁村を舞台にした物語を紹介するわね。

 むかし、港を見おろす小さな家に、モーザーというなまえのネコがいました。年とった漁師のトムさんといっしょに、ここちよいおうちでおいしいものを食べて、幸せにくらしていました。ところが、ある年の12月に大きなあらしがきて、村は大ピンチ。魚をとりにいけなくなり、畑もめちゃくちゃになって、食べるものがなくなってしまったの。トムさんとモーザーは、村人たちのために魚をとろうと、「嵐の大ネコ」があばれる海へとのりだしていくのよ。

 このお話は、イギリスのコーンウォール地方につたわる伝説をもとにしているんだけど、舞台となった漁村はほんとうにあるのよ。港には、れんがづくりの防波堤があって、そのせまいすきまを船が出入りするんですって。さし絵があるから、見てみてね。こまかくていねいに描かれたカラーのさし絵のかずかずが、とってもきれいな本なのよ。うっとりしちゃう。ああ、行ってみたいな、コーンウォール!

「嵐の大ネコ」って、いったいなんだと思う? トムさんとモーザーは、魚をとることができたのかな? ぜひ読んでみてね!
 
 (プケコッコ)

嵐をしずめたネコの歌
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2019年09月16日

この本、どうかニャ? 『その魔球に、まだ名はない』

エレン・クレイジス作 橋本恵訳 あすなろ書房
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 ケイティは草野球チームのエースです。リトルリーグにスカウトされ、入団テストに受かったのに、女の子だとわかったら、ことわられてしまいました。かよわい女子には野球はむりだというのです。

 なっとくできないケイティは、図書館で調べて、かつて女性の野球選手が何人もかつやくしていたことを知ります。また、日系やアフリカ系のクラスメートの話から、差別されているのは女性だけではないことも知ります。

 ときは1957年。人間がまだ月に行っていなかったころの、アメリカのお話です。

 (ことり)

その魔球に、まだ名はない
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