2023年01月10日

読書探偵作文コンクール2022 最終選考会レポート&総評

 最終選考会のもようをお伝えします。

 今年もWeb会議ツールを使用して、オンラインで選考会をおこないました。例年どおり3名の最終選考委員が、1次選考を通過した12作品を1作品ずつ検討していき、話し合いを重ねた結果、最優秀賞2作品、優秀賞3作品、ニャーロウ賞1作品が選ばれました。
 入賞した6作品については、後日、こちらのサイトで全文を掲載する予定です。
 最終選考委員のみなさんから、1次選考を通過した作品それぞれへの感想やアドバイスをいただきましたので、ぜひ、これから文章を書くうえでの参考にしてください。

竹内 一路さん(小1)
読んだ本――『ぺちゃんこスタンレー』 ジェフ・ブラウン作 トミー・ウンゲラー絵 さくまゆみこ訳 あすなろ書房
ぺちゃんこスタンレー

宮坂「スタンレーみたいに自分もぺちゃんこになって普通はできないことをしてみたい、という気持ちがとても素直に書かれている作品です。体がぺちゃんこになるということのインパクトが強かったのでしょうね。ぺちゃんこになったら本のあいだにはさまってずっと本を読んでいたい、という発想もおもしろい。本当に本が好きなんだなと感心しました。一方でひとりで寝るのはこわいからお母さんのベッドにはいりたい、という小学1年生らしい部分もあって、ほほえましく感じました」
ないとう「読みながら声をあげて笑ってしまいました。ぺちゃんこになったら郵便でおじいちゃんのところに送ってほしい。そして土にもぐって化石を見つけたいなど、「おもしろいこと」の発想がすばらしい。海外の小学校ではスタンレーの切りぬきを実際に知りあいや別の学校の子どもに送る活動も行われています。ほんとうに子どものあこがれを刺激する作品なんだなと思いました」
越前「楽しい作文。直球勝負というのか、わかりやすくてぶれがなく、一直線に楽しいことを語っています。だんだん夢が広がっていくような感じがとてもすがすがしい。自分はこうしたい、というところから、ほかの人への思いやりへ変わっていくところもいいですね」


はる さん(小2)
読んだ本――『さかさ町』 F.エマーソン・アンドリュース作 ルイス・スロボドキン絵 小宮由訳 岩波書店
さかさ町

ないとう「短いけれどまとまりがあり、語り口がよくて、声が聞こえてきそうな作文。『さかさ町』のなかでも「わすれよ科」のことに的をしぼって書いています。わすれるって大切なんだなという気づきや驚きをとてもじょうずに書いていていいなと思いました。「今までの当たり前と、さかさ町の当たり前を合体させたら、毎日もっとおもしろくなるんじゃないか」というのもいい結論。「さかさま」にからめて『アベコベさん』(フランセスカ・サイモン作 ケレン・ラドロー絵)という絵本もおもしろいのでぜひ読んでみてください」
越前「作品のおもしろさの本質的なところを見抜いて、それをしっかり自分のものにし、血や肉になっている感じを受けました。驚きやわくわくした感じをうまく言葉であらわしています。わすれよ科のことをいいたいのか、さかさまのことをいいたいのか、どっちつかずになっている印象があったので、タイトルか構成を工夫したらもっとよかったかもしれません。全体として、ぜんぶさかさまという設定がおもしろく、このお話を読んでみたいと感じました」
宮坂「あらすじ、本から学んだこと、自分だったらどうするかという点が順を追って書かれていて、短いけれど、とてもわかりやすい作文です。小学2年生でこのようにまとめられるのはすごい。本を読んだことでわすれることの大切さに初めて気がつき、それを習っているサッカーに当てはめて具体的に考えているところが特にいいですね。本を読んで実生活に役立つ発見ができたのは、ある意味、理想的な本の読み方かもしれません。常識を疑うのは大事なことだと思います。「ここがさかさ町だったらどうなるんだろうなあと考えながら生活してみようかな」とあるとおり、ぜひ折にふれてさかさ町のことを思い出してみてください」


今林 玲奈さん(小3)
読んだ本――『小さなトロールと大きな洪水』 トーベ・ヤンソン作 冨原眞弓訳 講談社
小さなトロールと大きな洪水

越前「感想をこえて論評のレベルに達しています。3年生でここまで書けることに驚きました。また、ボキャブラリーも豊富ですね。まず疑問を提示しても、そこで終わってしまう作文が多いなか、この作文は疑問に対する答えを自分で考え、仮説を立てて実証していくという流れで、ハイレベルの論評になっています。筋道立った論考のあと、最後にかわいらしい絵のしおりがくることによって、作品世界が立体化する感じを受けました。すばらしいです」
宮坂「本をえらんだ理由からはじまって、あらすじ、シリーズ全体について、さらにこの作品から感じたことを述べるという流れで、理路整然と書かれていて、段落わけもしっかりしています。シリーズの特徴をオノマトペでいいあらわした独特の表現も、読んでいて楽しかったです。ユニークだし、ちゃんと特徴をとらえていますね。もしヤンソンさんが今ムーミンのお話を書いたら、と想像して、「すがたや考えが自分とちがっても、みんなで仲よくするんだよと私たちにやさしく教えてくれるにちがいない」と断言しているところに、頼もしさも感じました」
ないとう「最初にこの作文を読んだときに涙がでました。ムーミンシリーズの奥底に流れているほの暗さや不安感をしっかり受けとめて、それがなぜなのかを追求し、戦争の不安をあらわしているのだろうと思いいたった洞察力に感心しました。現在の戦争やコロナ、温暖化などの不安を肌で感じとっていることが伝わってきます。また、自分の考えにだけひきつけて書いていくのではなく、作品のなかの美しい場面を紹介しながら、この本がどういう本なのかをちゃんと伝えているところもすばらしい」


菊地 璃心さん(小3)
読んだ本――『おきゃく、おことわり?』 ボニー・ベッカー文 ケイディ・マクドナルド・デントン絵 横山和江訳 岩崎書店
おきゃく、おことわり?

宮坂「本を読んだことをきっかけに、2年生のときの体験を思いだして書いてくれた、エッセイのような作品です。ひとりぼっちでいた子に声をかけたあとどんなふうに友だちになっていくのだろうと、興味をもって読み進めました。また、そのような子に積極的に話しかけるということから、すごく優しい性格なのだろうということが、作文から伝わってきました。「今は、いつもマスクをしているので、目をよく見て言葉で伝えることをたいせつに」という部分に、コロナ禍は友だちになる場面にも影響していると気づかされ、はっとしました」
ないとう「内気なクラスメートと2学期のあいだずっといっしょに過ごして、3学期になってから初めて「お友だちになろう」といわれたというあたりが、とても小学生らしくリアルでいいと思いました。ネズミと自分に共通点を感じたということなので、本のなかのどの部分がどんな風に似ているか、ひとつかふたつ具体例があると、読書の作文らしくなるし、この本を読みたいと思う人がもっと増えるかもしれません」
越前「構成、段落のわけ方、話の流れなどから、教室の情景や友だちの顔が見えてくる作文です。でも、もう少し本の話をしてほしかったかな。なぜ自分がネズミと似ていると思うのか、どうしてこの友だちの話を思いついたのか、というところをくわしく聞きたかったです。マスクをしている風景がビジュアルとして浮かんできたことが、とても印象に残りました」


ちゅんちゅん さん(小3)
読んだ本――『ローワンと魔法の地図(リンの谷のローワン1)』 エミリー・ロッダ作 さくまゆみこ訳 あすなろ書房
ローワンと魔法の地図(リンの谷のローワン1)

ないとう「ローワン自体の紹介はごく小さくて、簡潔にまとまってはいるけど、もう少しくわしく読みたいかなと感じました。文章がしっかりしているので、新聞とはべつに単独のレビューも書けそう。「ちゅんちゅん新聞」の編集力はすごいですね。絵の上手な友だちへのインタビューコーナーがおもしろかったです」
越前「本の紹介文はとても短いのですが、ここまで短くまとめるためには高いレベルが必要です。自分自身の言葉で、高度な内容を指摘していると思います。とても簡潔に本質をついていて、表現もいいですね」
宮坂「短いけれど簡潔にまとまっていて、概要もちゃんとわかり、本を読んでみたくなりました。「常識外れ」だからといって「有り得ない」わけではない、という考察はするどいですね。新聞を定期的に作っているとのこと、これからも続けてほしいと思います。これまで書いた書評欄をまとめてみるのもおもしろいかもしれません」


古市 湊大さん(小4)
読んだ本――『おおきな木』 シェル・シルヴァスタイン作 村上春樹訳 あすなろ書房
おおきな木

越前「この本を何度も読みたくて買うことにした、というその情熱がすごい。「読んだ人をなやませるところがいい」といういい方がおもしろく、この本の本質をついています。ふつうなら読み過ごしてしまうところを疑問に思い、その疑問に対してすぐには結論をださずに迷っている。自分の迷いがそのままでている書き方をしているのもいいと思いました。全体としては、少し話にまとまりがない感じがあった点が残念で、構成にもうひと工夫ほしかった。ただ、作文を読んだ人がこの本を読みたくなるか、という意味では、まちがいなく読みたくなるだろうと思わせる作文でした」
宮坂「本を読んでもやもやした気持ちを素直に書いている作文。大人が読んでも考えさせられる本なので、「ぼくにもわからないことがたくさんあったので、いっしょに考えてくれるとうれしい」というのは正直な気持ちだと思います。なぜ少年は大事にしていた木を切ってしまったのかという点に引っかかっているというのもよくわかります。「読んだ人をなやませるところがいい」と書いているのが印象的で、考えることを楽しめる子なんだろうと感じました。大人になって読んだら、またちがった感想をもつと思うので、ぜひ折にふれて読み返し、自分がどう思うか確かめてほしいです」
ないとう「わかりやすいものが好まれがちな時代に、小学校4年生の子が、人をなやませるような本を何度も読みたくなって自分で買ったということ自体がとてもすばらしい。わかりにくいものってつい遠ざけたくなるけれど、その逆をいっているところが頼もしいです。むりやり結論をだしていないというのが、この本に関してはきっと大切。今は少年の視点で読んでいると思うけど、年を経るにしたがって木の視点も入ってくるかもしれませんね」


田代 大翔さん(小5)
読んだ本――『大どろぼうホッツェンプロッツ ふたたびあらわる』 オトフリート=プロイスラ―作 中村浩三訳 偕成社
大どろぼうホッツェンプロッツ ふたたびあらわる

宮坂「構成がしっかりしている作文です。この本を読んだ理由、あらすじ、体験談、印象に残ったシーン、全体の感想という流れできちんとまとまっていて、感心しました。文章が読みやすく、きちんと情報が整理されている印象を受けました」
ないとう「本を読もうと思ったきっかけがビブリオバトルだったというのがいいですね。この本をおもしろく発表した子にも拍手を送りたい。ある日学校で靴をかくされた友だちの「ぎったぎたのボッコボコにしてやらぁ!」というせりふがあまりにもインパクトが強すぎて、すべてもっていかれました。小学校生活の生々しい一面がえがかれていて、たくまざるユーモアを感じます」
越前「ビブリオバトルをきっかけに読んでみようと思ったという、読書を楽しむ姿勢がいい。強引なところや唐突なところもありますが、文章を書き進める情熱みたいなものを感じました。本が好きなのはまちがいないので、どんどん読んで、文章の書き方も工夫していってほしいです」


松岡 正乃輔さん(小5)
読んだ本――『天の火をぬすんだウサギ』 ジョアンナ・トゥロートン作 山口文生訳 評論社
天の火をぬすんだウサギ

ないとう「友だちの消しゴムをぼくはなぜ盗むのかという体験談がメイン。『天の火をぬすんだウサギ』の物語もちゃんとあらすじを紹介しているけれど、やはりウサギと対比しながら自分の心情をセキララに語っているところがハイライトです。お友だちはたぶん気がついてると思います(笑)。友だちを大切にして、これからも仲よく過ごしてほしいです」
越前「学校の作文には書けなさそうな内容なので、そういうものでもどんどん出そうという趣旨からいうと、このコンクールにはぴったりかもしれない。ちゃんと反省しているし、自分のなかの闇みたいなものをこんなふうに正直に書ける子はなかなかいないと思います。まれな作文を読ませてもらいました」
宮坂「自分の思ったことを本当に素直に書いているところが印象的で、どういうことなんだろうと思って冒頭からひきこまれ、最後まで興味をもって読み進めることのできる作文でした。自己分析や、絵本の話と自分との比較が特に興味深かったです」


矢代 夏帆さん(小5)
読んだ本――『アベルの島』 ウィリアム・スタイグ作 麻生九美訳 評論社
アベルの島

越前「愛というテーマにスポットを当てて、通常のイメージを超えていろいろな角度から考えているところがおもしろかったです。そういう姿勢がすばらしいと思いました。同じことのくり返しがやや気になりましたが、シンプルでいい作文です」
宮坂「愛について考えるのはちょっと恥ずかしかったり難しかったりするかもしれないのに、正面から堂々と取り組んでいるところがよかったです。自分なりに考えたこと、発見したこと、感じたことが素直に綴られていて、とても楽しく読みました」
ないとう「本文のエピソードをひろって、そこから自分がどう考察したかを書いているあたり、とても論理的に作文を組みたてているなという感じがしました。「はなればなれになったから愛が強まったのだと思う」と考察しながら、自分だったら1か月であきらめるというのがおもしろくて、けっして表面的にきれいにまとめようとするのではなく、読みながら自分の素直な気持ちを書いたのだなということが伝わってきてリアリティを感じました」


大北 隼矢さん(小6)
読んだ本――『クララとお日さま』 カズオ・イシグロ作 土屋政雄訳 早川書房
クララとお日さま

宮坂「本を読んで感じたことが素直に思ったまま表現されています。話があちこち飛んでいるところもあるけれど、ひとつひとつのエピソードがおもしろいし、心から読書を楽しんでいることが伝わってきました。この本を4回の夜更かしで読めたのはすごいですね。読書の時間を夜更かしの回数で表しているのもユニークだなと思いました。どんどん興味が広がって、作者や訳者、装丁者のインタビューまで読んで理解を深め、それを作文の読者にシェアしてくれているところもよかったです。本作りにかかわった人がこの作文を読んだらみんなうれしいのではと思いました」
ないとう「とても素直な感想が書かれているのに加えて、本作りをする人たちのことまで自分で調べて、手際よくまとめて書いてあるのがすごい。直接の出典は記されていないけれど、「翻訳者のインタビューをまとめたもの」と明示してあるのもいい書き方だと思いました。「へえー、そうなんだ。おもしろそう、読んでみよう」と思わせるエネルギーに満ちた作文。『クララとお日さま』は分量もあるし、けっしてすんなりわかる小説ではないと思うので、しっかり読み切って自分なりに消化しているのはすごいです。英語版も読んでみたいとのことなので、ぜひ実現してほしいです」
越前「作文の前半を読んで、まず、『トイ・ストーリー』『鉄腕アトム』『ワンピース』を連想するというところで、多くの小学生はこの本をこういう風に読むんだという新鮮な驚きがありました。そして、それとはまったく異なる読み方をしているところに独創性を感じます。もちろん、この作品の読み方に「正解」があるわけではありませんが、作文の後半で、本というのはいろいろな人が大切な思いを込めて作っているということをしっかり調べて書ける人だからこそ、作者の意図をもっと深く考えられる力があるはずだとも思いました」


川上 莉央さん(小6)
読んだ本――『世界で一番の贈りもの』 マイケル・モーパーゴ作 マイケル・フォアマン絵 佐藤見果夢訳 評論社
世界で一番の贈りもの

ないとう「とてもよく書けている作文。何かの歌をきっかけに「クリスマス休戦」に興味を持ち、自分で本をさがしあてて読んだという導入からはじまって、本の内容を手短に、かつとてもくわしくまとめています。同時に今の世界に対する問題意識がひしひしと伝わってきます。先ほどのムーミンや、このあとのアンネもそうですが、子どもたちは今、大きな不安を感じながら暮らしているんだなということがわかります。文章も上手で作文の書き方もまとまっていました」
越前「この本を読んだきっかけや、世界で一番の贈りものをふたつ見つけたという、導入として興味をもたせるような書き方がすごくうまい。この本から多くのことを学んでいて、作文を読んだ人が同じことを学んでいけるような書き方もされています。構成もわかりやすく、説得力がある作文でした。ロシアやウクライナの話とも自然に結びついていて、自分の心のなかから出てきている印象に好感がもてました。ひとつだけ「妻に届けられた手紙」のエピソードがいつの話なのかというのが少しわかりづらかったです」
宮坂「文章の書き方が上手で、書き慣れているのを感じました。基本は敬体でもときどき常体を混ぜたり、体言止めを使ったりしていて、しかもそれがすごく自然で、スラスラ読める文章になっています。臨場感のある書き方もできていて、感心しました。本を読んだきっかけがおもしろいので、そこをもっとくわしく書くとなおよかったかもしれません」


はな さん(小6)
読んだ本――『悲劇の少女アンネ』 シュナーベル著 久米穣訳 偕成社
悲劇の少女アンネ

越前「本が伝えるメッセージをしっかり受け取っていますね。おそらく自分でたくさん調べたのでしょう。明らかに成長している様子がわかります。本の内容からやや離れているところが気になったのですが、アンネの何に共感したかや、自分と同じところ、ちがうところなどを書いてもよかったと思います。作文の構成はわかりやすいと思いました」
宮坂「この本よりも『アンネの日記』のほうにより多くふれられていましたが、『アンネの日記』を読んで客観的な背景が知りたくなるのはよくわかりますし、いい読書の広がり方だなと思います。戦争について考えを深めている様子が伝わり、なぜ戦争をしなければならないのかわからない、それでも戦争はいけない、と言い切っているところには頼もしさを感じました」
ないとう「期せずして同じようなテーマの作文がならびました。作文の後半で第二次大戦時の日本のことにも触れているのですが、それは、何の本を読んで学んだことなのかまで書いてあると、この本をきっかけにした読書の広がりがたどりやすいだろうなと思いました。ただ、戦時中の日本というと、受けた被害のことばかりを語りがちなのですが、それだけでなく加害のことにも触れていて、視野の広さがすばらしいです。大正生まれのひいお祖母さんからは、ぜひぜひ直接お話をきいて書きとめてほしいなと思います」

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【総評】

越前「今年もすばらしい作文、独創的な作文をたくさん読ませてくれてありがとう。ロシア・ウクライナの問題や長引くコロナ禍などと関連づけた作文が多く、みなさんの問題意識の高さに感心しました。その一方で、やはりいちばん心を打つのは、読んだ本そのものとしっかり向き合って、人真似ではない自分のことばで考えを力強く語っている作文です。これからも、本を心の糧として、大きく成長していってください」

ないとう「今年も力強い作文をたくさん寄せてくださってありがとうございました。二次選考に残った作文には、コロナ禍や今の世界情勢に触れたものも多く、小学生のみなさんの問題意識や、鋭敏な感性を感じとることができました。こんな時代だからこそ、いろいろな国の本を読んで、世界の人たちのくらしぶりや、考えに触れることが、平和への第一歩のように感じています。もちろん、そんな壮大な理念だけでなく、純粋な楽しみのために読むのも大切! 来年も楽しく本を読んで、すてきな本にめぐりあい、そのことをわたしたちに知らせてくれたらうれしいです」

宮坂「コロナ禍の中、今年も読書探偵のみなさんからすばらしい作文がたくさんとどきました。ほんとうにありがとうございます。本を通じて新しい発見をしたり、どうしてだろうとなやんだり、自分の体験をふりかえったりと、みなさんが心を動かされているようすが伝わってきて、読んでいるこちらの心もゆさぶられました。来年もぜひ読書を楽しんで、そのときに感じた素直な思いをわたしたちにシェアしてくれたらうれしいです」
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(一部の本は、応募者の方が読まれたものとは別の版を用いています)

 今年もすばらしい作品をおよせくださったみなさん、ありがとうございました。
 今後、中高生部門のサイトでも、コンクールの結果や入賞した作文の全文が公開される予定ですので、ぜひご覧ください。
 来年もたくさんのご応募をお待ちしております。

(2022年12月記載)