2019年12月01日

読書探偵作文コンクール2019 最優秀賞 全文掲載

 最優秀賞を受賞なさった森小久良さん、蛭田モモさん、小八重琴子さんの受賞のことばと作品全文をご紹介いたします。
 なお、選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。 
読書探偵作文コンクール2019 選考結果発表!

(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。なお、このページの作品は絵入りや詩の形式などレイアウトに特徴があるため、作文の画像も掲載しています。――読書探偵作文コンクール事務局)
______________________________

◎最優秀賞
森 小久良さん(小5)

読んだ本――『囚われちゃったお姫さま』パトリシア・C・リーデ作 田中亜希子訳 東京創元社
囚われちゃったお姫さま―魔法の森〈1〉 (sogen bookland)
囚われちゃったお姫さま

【受賞のことば】
「え? 本当?」受賞したと聞いた時、すぐに信じられなくてとてもびっくりしました。すごくうれしかったです。私は本を読むのは大好きだけど、文章を書くのが苦手です。だから、本当に面白い本なのにこの本の楽しさが伝わったかどうか心配でした。でも、受賞して面白さ、楽しさが伝わったんじゃないかなと安心しました。ありがとうございました。これからもワクワクする本を読んでいきたいです。

【作品】
「夢中になっちゃった 五年生」


 私の住んでいる街に、去年大きな図書館が開館しました。本棚が奥までずらっと並んでいて、その間や窓ぎわに沿ってたくさんの机といすがあります。そこでゆっくり本を読むことができます。私のお気に入りの場所は、外国の本の棚の奥にある、丸い柱の周りをくるりと囲んでいるベンチです。
 その日も柱にもたれて、大好きなちょっと怖い本を読んでいました。顔を上げた時、目の前の本棚に並んでいる分厚い本が気になりました。
  囚われちゃった
  お姫さま
 背表紙の題名が二行で書かれるくらい厚いのです。でも、色がとてもかわいかったので、すぐ手に取っていました。表紙には、元気そうな女の子とドラゴンが描かれています。ドラゴンの目にはまつ毛があるので、きっと女の子のドラゴンに違いない!表紙を見たとたんに夢中になっちゃったのです!
 このお話は、誰でも思い浮かべるおとぎ話の世界ですが、登場するお姫様や王子様がちょっと変なのです。お姫様として必要なあらゆるたしなみの勉強なんて、退屈でうんざりしているシモリーン。こっそり剣術、魔法、ラテン語、料理などお姫様らしくない事をしていると、ハンサムなだけで退屈な王子と結婚させられそうになります。もちろんシモリーンは逃げ出して、自分からドラゴンの囚われの姫になってしまいました。だってドラゴンの囚われの姫になるのって、カンペキに尊敬される行為だから!!
 さて、この後は当然いろいろな事が起こります。登場人物達が個性的で思わずニヤリとしてしまうのです。なぜかというと、有名なおとぎ話のエピソードがたくさん散りばめられていて、それに気づいたときになんだか嬉しくなっちゃいます。私が、特に気に入っているのは『巨人の三つの願い』のところ。シモリーンの賢さには驚くばかりです。「年とって寿命で死ぬ」なんて、おとぎ話には出てこないでしょう。それで全員納得できるように話をまとめてしまうのですから。
 アリアノーラが囚われの姫になったいきさつなんて、いったいいくつのお話が隠れているの! 普通石になったら動けないのに、石の王子は動けてるし! そんなありきたりでないワクワクする展開が繰り広げられていきます。
 この本を、めいっぱい楽しむには「どれだけ元ネタのお話を知っているか?」だと思います。この楽しさは一度読んだだけではわからないでしょう。私は、お姫様の物語をたくさん読んだけどこんな物語もあるなんて……もっともっとお姫様の本を探して読みたいです。そうすると、またこの本を読んだ時に新しいネタを発見できるかもしれません。でもその前に、まずはこのお話の続きです。実は『魔法の森』シリーズはあと3冊あります。まだまだ私の楽しい時間は終わりそうにありません。
 最後に、これからこの本を読もうと思っている人にアドバイスです。休み時間の教室では絶対に読まないで下さい。読んでいる時のあなたの顔は絶対にニヤニヤしているはずです。ひょっとしたらおかしな声を出して笑ってしまうかもしれませんよ。友達から変な目で見られるかもしれないので、読む時は気を付けて下さいね。

IMG_princess_1.jpg
IMG_princess_2.jpg
IMG_princess_3.jpg
IMG_princess_4.jpg

※4枚目イラスト部分
IMG_princess_5.jpg

______________________________

最優秀賞
蛭田 モモさん (小3)

読んだ本――『スガンさんのヤギ』アルフォンス・ドーデ文 エリック・バテュー絵 ときありえ訳 西村書店
スガンさんのヤギ
スガンさんのヤギ

【受賞のことば】
 さいゆうしゅうしょうのおしらせを聞いて、わたしもお母さんもおどろきました。とてもうれしいです。『スガンさんのヤギ』をよんで、いちばん心にのこっているのは、スガンさんがかえるようによんだのに、ブランケットはかえらないで、おおかみとたたかって、くわれてしまったことです。そのときの、ブランケットのきもちをかきました。

【作品】
 「よかったの、ブランケット」


 つまらなかったね、
 ブランケット。
 かこいの中で、
 くいやひもにつながれて、
 山をながめながら、
 くさをたべていた。

 よかったね、
 ブランケット。
 スガンさんのところから
 だっしゅつできて。

 よかったね、
 ブランケット。
 小さな女王のように
 むかえられて
 森じゅうがうっとりした。

 よかったね、
 ブランケット。
 かもしかたちに
 一ばんいいのぶどうを
 わけてもらった。

 よかったの、
 ブランケット。
 かぜがつめたくなって
 山のむこうで
 とおぼえがきこえた。

 よかったの、
 ブランケット。
 スガンさんの
 ラッパがさけんでいる。

 よかったの、
 ブランケット。
 かいぶつのようなおおかみが
 たたかうまえから
 あじみをしている。

 たいへんだったね、
 ブランケット。
 一ばんじゅう
 10回いじょうも
 ゆうかんに
 つのでたたかった。

 でもたべられてしまった。

 くやしかったね。
 かなしかったね。

 よかったの、
 ブランケット。

IMG_goat_1.jpg
IMG_goat_2.jpg
IMG_goat_3.jpg

______________________________

◎最優秀賞
小八重 琴子さん(小1)

読んだ本――『詩ってなあに?』ミーシャ・アーチャー作 石津ちひろ訳 BL出版
詩ってなあに
詩ってなあに?

【受賞のことば】
 ママに「さいゆうしゅうしょうだよ」ってきいたとき、びっくりして、パッとでんきがついたみたいに、おでこがあつくなりました。それから、だんだんうれしくなって、おどってしまいました。
 わたしは、おはなしするのはじょうずじゃないけれど、さく文は、ゆっくりかんがえてかけるのがいいです。この本をよんで、ほかにもたくさん詩をつくりました。これからも、いろんな本をよみたいです。

【作品】
   詩をつくる

 「詩ってなあに?」というえほんをよんで、わたしも詩をつくってみたくなった。えほんでは、ダニエルがこうえんのいきものに「詩ってなあに?」ときいていた。そしたら、クモとかリスとかカエルが、こんなふうにこたえた。
 詩っていうのは、
・あさつゆのきらめき
・おちばのかさこそとなるおと
・ぴょんっととびこみたくなる
 ひんやりとしたみず
 ほかにもいろいろないきものが詩のことをおしえてくれて、わたしは、いいなぁとおもった。うちには、キキくんというさかながいるけど、ぜんぜんしゃべらない。だから、きくかわりによくかんさつした。そうしてつくったのが「キキくんの詩」です。

   キキくんの詩

 しっぽは くさみたいに
 やわらかそう
 からだは あかとむらさきで
 きらっとひかる
 すいすいおよいで ストップ
 すいすいおよいで ストップ
 ほねは ひらがなの
 「へ」のかたち

IMG_poem2_1.jpg
IMG_poem2_2.jpg
IMG_poem2_3.jpg

_____________________________

 最優秀賞を受賞なさった3人のかたには、来春開催を予定している授賞式で、賞状と5000円ぶんの図書カードを贈呈いたします。
 あらためて、おめでとうございます!