2019年08月15日

「ドクタン2019夏のイベント」開催レポート

 8月11日、都内神保町のブックハウスカフェにて、ドクタン2019夏のイベントを開催しました。「外国の本っておもしろい! いろんな国の本を読んでみよう!」と題して、いろいろな言語の子どもの本を訳している翻訳家のみなさんにご登壇いただき、おすすめの本や翻訳の裏話などをお話いただきました。

 連日、真夏日がつづいていた東京は、この日も快晴。イベントは午後2時よりはじまりました。オープニングは「世界のことばでこんにちは」です。日本語、英語、イタリア語、ドイツ語、フィンランド語、スウェーデン語、ロシア語、インドネシア語、マオリ語。みんなで声を合わせて、9つの言葉で「こんにちは」を言ってみます。意外に覚えやすくて簡単!という言葉から、舌を噛みそうになるむずかしい言葉まで、いろいろな音のひびきを楽しみました。

 つぎは、本の紹介です。まずは古市真由美さんが、フィンランドの本『それからどうなるの?』と『ムーミンパパの思い出』の2冊を紹介してくださいました。どちらもみなさんご存じムーミンの本で、今年の6月に出たばかりの新版だそうです。『それからどうなるの?』はちょっとした仕掛けのある楽しい絵本。『ムーミンパパの思い出』は、大人の心にもひびく物語とのことです。つづいて、大作道子さんがアメリカの作家が書いた『あの犬が好き』を紹介してくださいました。あざやかな黄色い表紙の本です。イエロー=黄色だけれど、英語のイエローの幅は日本語の黄色よりもずっと広いことなど、ご自身が『わたしがいどんだ戦い1939年』を訳したときのエピソードも交えて話してくださいました。
 
 ここで、ちょっとひと息。田中亜希子さんに教えていただき、おいしいアイスクリームをつくる手遊びを楽しみました。カーペットに座ったお子さんたちも、チョコレート味やいちご味のアイスクリームを一生懸命つくってくれました! 

 後半、赤塚きょう子さんが紹介してくださったイタリアの本は『世界食べものマップ』と『おやすみなさい トマトちゃん』。『世界食べものマップ』は、世界各地の食の文化がひと目でわかる大型本です。世界には日本人がおどろくような動物を食べる文化もあるようです。『おやすみなさい トマトちゃん』は、トマトがきらいな女の子が主人公のゆかいな絵本。つづいて、平野麻紗さんがロシアの絵本『金のさかな』を紹介してくださいました。物語の一部をロシア語で朗読していただくと、子どもたちも不思議なひびきの言葉を興味深そうに聞いていました。最後はイギリスの絵本『コッケモーモー!』を、訳者の田中亜希子さんが日本語で、武富博子さんが英語で、読み聞かせてくださいました。いろんな動物たちの鳴き声が出てくるこの絵本、会場の子どもたちにも英語で動物の鳴き声を言ってもらったりして、おおいに盛りあがりました。おわりにみんなで、世界のことばで「さようなら」を言って、お開きとなりました。

 子どもの本の翻訳にたずさわるわたしたちは、世界にはいろんな言葉があり、いろんな文化があることを、本を通して子どもたちに知ってもらいたいと、日頃から思っています。今回のイベントに来てくださった子どもたちが(大人たちも)、外国の言葉や文化に興味を持ってくれたり、この本読んでみたいなと思ってくれたりしたなら、こんなにうれしいことはありません。猛暑のなか、イベントに足を運んでくださったみなさま、イベントへの登壇を快く引き受けてくださった翻訳家のみなさま、本当にありがとうございました!

プログラム
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イベントの様子
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イベントで紹介した本

ムーミン全集[新版]3 ムーミンパパの思い出 [新版]トーベ・ヤンソンのムーミン絵本 それからどうなるの?  あの犬が好き

世界食べものマップ おやすみなさい トマトちゃん

 金のさかな―ロシアの民話 コッケモーモー!