2016年11月14日

読書探偵作文コンクール2016 優秀賞・ニャーロウ賞 全文掲載

 優秀賞を受賞なさったS・Nさん、渡辺彩也乃さん、南和奏さん、ニャーロウ賞を受賞なさった相良凛さんの作品全文をご紹介いたします。
 なお、最終選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。
読書探偵作文コンクール2016 最終選考結果発表!
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◎優秀賞
S・Nさん(小5)

読んだ本――『あのころはフリードリヒがいた』 ハンス・ペーター・リヒター作 上田真而子訳 岩波書店
あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))
あのころはフリードリヒがいた

【作品】
「ぼく」とユダヤ人のフリードリヒは、小さいころは、平和にくらしていた。二人は、一九二五年生まれだった。二人は、同じアパートにくらしていた。「ぼく」は二階、フリードリヒの家族は、三階にくらしていた。
 が、ユダヤ人は、差別され、フリードリヒは、学校を転校することになってしまった。一九三四年のことだ。
 たんにんの、ノイドルフ先生の本心は、フリードリヒを転校させたくなかったが、転校させなかったら、自分が収容所につれていかれてしまうから、ユダヤ人に対してこうするしかないと思っていたのだと思う。
 さらに、ユダヤ人せん用の黄色いベンチも出てくるようになり、フリードリヒの女友達のヘルガが、ある日二人で出かけた時、そのベンチにすわってしまった。ふつう、だれかに見られたら、ヘルガは、収容所行きだ。一九四〇年のことだった。
 もし、私がヘルガだったら、彼女のようにあえて黄色いベンチにすわらなかったと思う。ドイツ人用の緑色のベンチにすわって、フリードリヒがすわれないということに気がついたら、黄色いベンチの所には行かずに立ってフリードリヒと話すと思う。ユダヤ人といっしょに遊びに出かけたことなどなんでもないというふうにフリードリヒや、回りの人にふるまっていただろう。
 一九四一年のことだ。「ぼく」がジャガイモをフリードリヒの家に届けた時にかくまわれていたラビを目げきしてしまった。ラビをかくまっていることを知られてしまうと、フリードリヒやお父さんもラビといっしょに犠牲になってしまう。だから、そのひみつを守れるかと、「ぼく」は問われた。「ぼく」は、「分からない、ぼくはどうすればいいのか。」と答えるばかりだった。もし、私が「ぼく」だったら、「ぼく」と同じように分からないと答えると思う。私も、きっと同じ言葉でしか、返すことができないと思う。
 そこで、このことから『アンネの日記』という本を思い出した。それは、アンネの家族がかくれ家で生活する時に、たくさんの人の協力が必要だった。そして、その協力した人たちも、命がけだったということだ。
 一九四二年になると、空しゅうがはげしくなり、みんなが地下ごうに入るようになった。ユダヤ人は、この時も地下ごうに入ることはできない。「ぼく」の家族は、ドイツ人だから地下ごうに入った。フリードリヒは入れないが、むりやり入ろうとした。その時、家主のレッシュ氏は、出て行けと言ったが、近くにいた、そう長が入れるようにと言った。だが、レッシュ氏は聞き入れず、フリードリヒは、追い出されてしまった。そして、フリードリヒは、死んだ。
 もし、私が、そう長だったら、フリードリヒを地下ごうに入れると思う。レッシュ氏の指図に従わないといけなくても、地下ごうに入れるように説得する。ドイツ人もユダヤ人も同じ人間だからだ。
 この本を読んでいる時に、もしも自分が、ユダヤ人だったらと考えてみたことがある。それは、想像以上のこわさで、考えることもつらくなってしまった。今が、「ぼく」やフリードリヒがいた時代ではないことが、とてもうれしい。私は、とても幸せだと思っている。
 ドイツ人の中でもユダヤ人のことがきらいだと、思っている人も、好きだと思っている人もいる。それはそれでいいと、私は思っている。が、きらいだから、ちがう人種だからといって差別したり、殺してしまったりするのは、よくないし、ゆるせない。あたりまえのことだ。
 そこで、私はお父さんに、そのころの状きょうのことをどう思うか聞いてみた。人は、平等に生きる権利があるのに、ユダヤ人というだけで差別をするのがゆるせない、と言っていた。
 私は、差別されたことはないが、いじめられたことがある。思い出したくもないひどい言葉を言われたり、ぶつかってきたりと色々、いやなことをされた。フリードリヒ達のような、「差別」と、私が経験した「いじめ」を比べれば、あきらかに、「いじめ」のほうがたえられると私は、思う。だが、私は、そのたえられる小さな「いじめ」が「差別」に近づく一歩なのだと思う。
 私は、フリードリヒの悲げきを忘れたくない。また、「ぼく」のフリードリヒを失ったくやしさも忘れたくない。

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◎優秀賞
渡辺 彩也乃さん(小3)

読んだ本――『ポリーとはらぺこオオカミ』 キャサリン・ストー作 掛川恭子訳 岩波書店
ポリーとはらぺこオオカミ (せかいのどうわシリーズ)
ポリーとはらぺこオオカミ

【作品】
ポリーとはらぺこオオカミのクリスマス

わたなべ さやの

 ある日オオカミはサンタクロースにばけてポリーをたべようと考え、そりにのりました。とちゅう、道でポリーにあいました。ポリーはオオカミのへんそうにきづかないふりをして、トナカイにこうぶつのしかせんべいをたくさん食べさせました。せんべいには、ねむり薬が入っていて、せんべいをたべたトナカイたちは、たちまちその場でねむってしまいました。おかげでサンタクロースにばけたオオカミは、ポリーの家にはたどりつけませんでした。
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 サンタクロースにばけたオオカミは、やっとのことでポリーの家にたどりつき、正面げんかんから家の中に入っていきました。みんなはねむっていて、明かりがきえていました。ポリーのへやへいく、みちじゅんがわかりません。しかしリビングにあるクリスマスツリーのかざりがぼんやり光ってみえました。オオカミはツリーに近よって、プレゼントの箱を一つあけると、え本がはいっていました。オオカミはその本をよみはじめました。するとだんだんねむくなってきて、とうとういびきをかいてねむってしまいました。朝がきて、あわててオオカミは家をでました。ちなみにオオカミがよんでいた本は、「こどもをはやくねかしつけるほう方」というタイトルの本だったのです。
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 オオカミは、こんどはえんとつからポリーの家にしんにゅうしました。
「やっぱりサンタは昔からえんとつからはいるものだ。」
 えんとつはつめたくて、しんぱいはいりませんでした。なわばしごを使ってやっと下までおりると、へやの中はまっくらでした。オオカミは手さぐりでドアをさがしあてましたが、いくらおしてもひっぱってもあきません。せまいへやの中をぐるぐる回ってほかの出口をさがしましたが、わからなくなり、つかれてあきらめてしまいました。実は、そのへやはまきおきばで、ふだんはぬすまれないように、外からかぎをかけてあったのでした。
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 えんとつからはいってしっぱいしたオオカミは、直せつポリーのへやのまどをあけて、中にはいりました。ポリーはぐっすりねむっていました。
「うまそうだ。これをかければおいしくたべられる。」
 オオカミはさっそくポリーにコショウをたっぷりかけました。するとポリーがくしゃみをしました。あまりにもおおきなくしゃみだったので、おおかみはへやのかべに体をうちつけて、せぼねをおってしまいました。オオカミはせ中をさすりながら、はってさっきはいってきたまどから外に出ました。
「ちゃんとあるけるようになったら、あそびにきてね。」
とポリーはオオカミにいいました。
以上

(注:この作品は『ポリーとはらぺこオオカミ』を元にした二次創作です。――読書探偵作文コンクール事務局)
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◎優秀賞
南 和奏さん(小1)

読んだ本――『むこう岸には』 マルタ・カラスコ作 宇野和美訳 ほるぷ出版
むこう岸には
むこう岸には

【作品】
かわにはしがかかるといいな

みなみ わかな

「むこうぎしには、ぜったいいくんじゃないぞ」
「みてはだめ。わたしたちとちがうのよ。」
 おんなのこのおとうさんやおかあさんは、そういいます。わたしは、むこうぎしには、こわいひとがいるのかなとおもいました。だから、むこうぎしのおとこのこがぼうとをよういして、おんなのこがくるのをまっていたとき、どきどきしました。おんなのこが、むこうぎしにいくとき、かわをわたっていいのかなとふあんになりました。
 でもおとこのこのかぞくは、かみのけのいろやふくそうがおんなのことはちがったけど、やさしかった。たべるものもおとうさんのおしごともあそびかたもいっしょだった。おんなのことおとこのことともだちになれて、わたしはよかったなとおもいました。
 おんなのこのかぞくには、ともだちになったことはないしょにしてるけど、いつかみんなともだちになれるといいな。かわにはしをかけるというおとこのことおんなのこのゆめがかなうといいな。わたしも、じぶんとみためがちがってもともだちになれたらいいな。

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◎ニャーロウ賞
相良 凛さん(小1)

読んだ本――『ペットのきんぎょがおならをしたら……?』 マイケル・ローゼン作 トニー・ロス絵 ないとうふみこ訳 徳間書店
ペットのきんぎょが おならをしたら……?
ペットのきんぎょが おならをしたら……?

【作品】
ペットのきんぎょがおならをしたら。


 うちのいぬもげいをします。
 おすわりとかふせとかごろん。
 きんぎょのふわふわのなまえがへんでした。わたしだったら、らんとか、きんちゃんにします。
 ほえろといったら、くちからあわがでるとおもった。
 おならでえんそうできるようになったのが、すごいとおもいました。
 わたしだったらせかいにひとつだけのはなをおしえたいです。
 わたしはみぎみみにティッシュをいれてひだりみみからだせます。
 げいをいっぱいやっていたのでいぬからにげられるとおもいました。
 いぬにおならをぜんぶすいとられちゃったからおならがでなくなったとおもいます。
 えるびーはおならでえんそうできないとおもいます。どうしてかというと、まほうのきんぎょじゃないからです。
 おしまい

(注:この作品は、金魚鉢の形の冊子になっています。以下でご紹介するのは、ページごとに画像化したものです。各画像をクリックすると、拡大してご覧になれます。――読書探偵作文コンクール事務局)

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 優秀賞を受賞なさったかたには賞状と1000円ぶんの図書カードを、ニャーロウ賞を受賞なさったかたにはニャーロウからの賞状とプレゼントをお送りいたします。
 あらためて、おめでとうございます!