2014年11月14日

読書探偵作文コンクール2014 最優秀賞 全文掲載

最優秀賞を受賞なさった遠藤ゆみかさん、菊池柚子さん、杉浦伶奈さんの受賞のことばと作品全文をご紹介いたします。
なお、最終選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。
読書探偵作文コンクール2014 最終選考結果発表!
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◎最優秀賞
遠藤ゆみかさん(小6) 
読んだ本――『赤毛のアン』 モンゴメリ作 村岡花子訳 ポプラ社
赤毛のアン―シリーズ・赤毛のアン〈1〉 (ポプラポケット文庫)
赤毛のアン (ポプラポケット文庫)

【受賞のことば】
『赤毛のアン』は、今まで、本を読むことの楽しさや大切さを教えてくれるとびらでした。しかし、今、私にとっての『赤毛のアン』は、文章を書くことの楽しさを教えてくれるとびらにもなりました。これからは、いろいろな努力をしてそのとびらを開いていきたいと思います。そのとびらを開くきっかけをあたえてくださってありがとうございました。

【作品】
『赤毛のアン』を読んで 

 遠藤ゆみか

そうさなとこたえるマシュウのその声が
わたしにとって最高の宝

並木道 アンが魔法をさっとかける
あっというまに歓喜の白路

いちご水 澄んだ赤色魅力的
どんなときでもそのままでいて

流行のふくらんだ袖を夢見てた
クリスマスの朝現実になった

これからの思い出の数飛んでいく
頭で割られた石板のかけら

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◎最優秀賞
菊池柚子さん(小6)
読んだ本――『赤毛のアン』 L・M・モンゴメリ作 村岡花子訳 講談社青い鳥文庫
赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)
赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)

【受賞のことば】
「私が『最優秀賞』だなんて、信じられない! これは夢かな」と何度も思いました。でも、夢じゃありませんでした。現実です。うれしい!
 私は、本が大好きです。文章を書くことも好きで、将来は作家になりたいと思っています。
 これからもたくさん本を読んで、たくさんのよい本に出会い、夢に向かって頑張ります。
 私を最優秀賞に選んでいただき、本当にありがとうございました。

【作品】
腹心の友になりたい

 菊池柚子

「もし、こうだったら。」
 こんな風に、想像してみることが大好きな少女、アン・シャーリー。アンは、誰もが知っている、有名な「赤毛のアン」の主人公です。想像力豊かなアンは、自分の名前、かみの毛の色、顔、それにやせた体まで、気に入っていません。でも、得意の想像――例えば、もし、自分の名前がコーデリアだったら、とか――をして、幸せな、いい気持ちになれば、容姿のことなんていくらでも忘れられます。もっとも、いくら想像をしても、どうしても、燃えるようなあの赤いかみの毛のことだけは、忘れられないそうですけど。
 私も、アンと同じように、
「もし、こうだったら。」
と、想像してみることがあります。私は、本が大好きなので、もし、この本の世界に入れたら、とか、もし、将来の夢である作家になれたら、とか。すると、アンのように幸せな気持ちになれるのです。
 アンはマシュウと一緒に、グリン・ゲイブルスに向かう途中、美しいものをたくさん見ます。土手に並ぶ山桜や白樺の木、大きなりんごの木の並木道。後に腹心の友になる、ダイアナ・バーリーの家の池。アンはよく、場所でも人でも、その名前が気に入らないと、自分で新しい名前を考え出します。りんごの木の並木道は、「歓喜の白路」、バーリーの池は、「輝く湖水」。さっそく、新しい名前を考え出したアンは、グリン・ゲイブルスで暮らすようになってからも、近くにある森やダイアナと作ったままごとの家など、たくさんのものに、新しい名前をつけていきます。
 私の住む大河原町には白石川の土手沿いに、「一目千本桜」という、桜並木があります。春には、川の両方の土手に桜が何キロメートルにもわたって咲きほこります。アンは、しんから美しいものを見るたびに、胸のあたりに、ずきりとする気持ちのよい痛みを感じるそうです。もしアンが、あの桜を見たら、間違いなくその痛みを感じるはずです。あの桜は、本当に、本当にきれいで、次の春が待ち遠しくてたまらないほどです。また、アンは、「一目千本桜」という名前を、絶対に気に入らないと思います。いいえ、気に入るはずがありません。もし、アンがあの桜を見たら、どんな名前をつけるんだろう? ワクワクして、想像せずにはいられません。
 もし、この世界にアンがいたら。私は、絶対友達になります。きっと学校から帰って来たら、毎日のように遊ぶでしょう。一緒にお菓子を作ったり、春には一緒に桜のお花見をしたり・・・。他には、何をしようかな?
 この本は、読むと色々なことを想像したくなる本です。「赤毛のアン」シリーズはたくさん続いているので、全巻読破し、もっとアンと――もちろん、想像の中でですけど――仲良しになりたいです。アンと、腹心の友になりたい!

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◎最優秀賞
杉浦伶奈さん(小4)
読んだ本――『ウエズレーの国』 ポール・フライシュマン作 千葉茂樹訳 あすなろ書房
ウエズレーの国
ウエズレーの国

【受賞のことば】
最優秀賞をとれて、とてもうれしいです。去年のコンクールでは、一次選考は通過できましたが、入選はできなかったので、今年はいろいろと工夫しました。起承転結を意識したり、花の名前や花について部分ごとに考えたりしました。難しかったところは、クライマックスでした。せっかくめずらしい花なので、みんなに広めた方がいいと思って、この終わり方にしました。また来年もちょう戦したいです。

【作品】
創作「不思議な花ピレク」


 春風島のくすの木小学校に、だれよりも花が大好きな五年生の女の子がいました。名前は「カスミ」といいます。カスミは、無口でおとなしい女の子です。学校では、花のことを調べるために、図書室で本を読んでいます。カスミの部屋には十九種類の花が咲いています。そして、ネコのジャスミンちゃんは、気持ちよさそうにソファーで寝ています。本当は外に花を並べていたのだけれど、お兄ちゃんがサッカーボールをぶつけてわってしまうので、カスミの部屋に運んできたのです。それにお母さんも、今、ヨガにはまっていて、カスミにも花なんか育ててないでヨガをしなさいといってきます。でも、お父さんは、カスミの味方です。お父さんも花が好きで、特にサボテンを大事にしています。
 ある春の夜、暖かい風がふいてきました。空にはおぼろ月。みんながねしずまった頃、南の風にのって、八つの小さな種が飛んできました。そして、カスミの家の庭に、そっとおりました。それを見ていたのは、部屋の窓にいたジャスミンちゃんだけでした。
 次の朝、カスミちゃんが庭を見てみると、赤、ピンク、緑の横じまの線が入った芽が出ていました。それを見つけたカスミはお兄ちゃんにつぶされないように、まわりをレースの布でかこってハウスをつくって育てることにしました。お兄ちゃんはカスミのようすをみて、「これからは、サッカーは別の場所でやろう」と思いました。お母さんは、「また植物を育てているの」と、あきれて早くヨガを教えたいといったようすでした。でもお父さんは、「まあまあ」とお母さんにいいながら、カスミのことを「天才だ」とほめました。カスミは、ライバルのお父さんにほめられて、照れくさくなりました。
 カスミは、畑をドーナッツ型にたがやしました。育てているうちに八つあった芽は、二つかれてしまいました。カスミはかなしかったけれど、まだ、花が五つあるので、あきらめませんでした。
 カスミは、学校で友達の杏子に植物のことをこっそりいいました。「その花は図かんにのっていないめずらしいはなだよ。」杏子は、その話を聞くと、見てみたくなりました。杏子は急いで家に帰って、ランドセルをおき、ウキウキしながらカスミの家にむかいました。
「おーい、かすみー!」と庭のハウスにむかって大きな声で呼びました。カスミが「どうぞ」とこたえると、杏子は入口の布をそっとあけて中に入りました。すると、太陽の光で、植物が銀色にかがやいて見えました。杏子の目もキラキラしていました。カスミはじまんげに、「すごいでしょ!」と、言いました。花はふわふわとして綿菓子のようです。色はピンクと、赤と緑がまざったやさしい色をしています。くきにはとげがあって、水色の葉っぱがつるのようにまきついています。その葉っぱをつむと、しょうがのような、少し辛い香りがしました。カスミは、この植物に「ピレク」と名づけました。
 カスミは、ピレクをたくさんの人に知ってもらいたいと思い、新聞を書くことにしました。カスミは毎日、観察したり、実験もしました。例えば、くきは炒めると汁が苦いので、生で食べたほうがきゅうりの味に似て美味しいことや、花はミルクと混ぜてアイスにすると美味しいということも分かりました。
 夏が終わる頃、二人は花がかれていることに気がつきました。二人はがっかりして、カスミは新聞を書くのをやめてしまいました。 
 しかし、二週間後のことです。枯れた花の横に小さな実が落ちていました。カスミは、大喜びで種を観察して、また新聞を書き始めました。カスミは、おそるおそる種をかじってみました。しかし、実は固かったのでいろいろな料理にしてみることにしました。いためるとしょっぱくて、ふかすと甘くなりました。あげると辛くなり、乾燥させると苦い味になります。いろいろな味が出るので、いろんな料理に使うことが出来ました。
 そして、三週間後、やっと『ピレク新聞』が完成しました。カスミと杏子は、学校や近所の人に新聞を配りました。すると、たちまちピレクは評判になり、みんながピレクを育ててみたい、食べてみたいと言いました。
 ある日、カスミは、「杏子が良ければ、いっしょにいろいろな国をまわってピレクをひろめない?」といいました。「私たちまだ十一歳だよ。でも行きたい!」杏子も賛成してくれました。二人のお母さんは反対しましたが、お父さんたちは、旅をしながらしっかり勉強してきなさいといって許してくれました。
 そして、よく晴れた朝です。杏子がカスミをむかえに来ました。「忘れ物はない?花は持った?」「うん!杏子、いこう!」「お父さん、お母さん、行ってきます。」二人はたくさんのピレクの花と実を持って、元気よく出発しました。こうして、カスミと杏子の旅が始まったのです。

杉浦伶奈 「ピレクの紹介1」.jpg

杉浦伶奈 「ピレクの紹介2」.jpg

あとがき「ウエズレーの国の話を読んで」
 杉浦伶奈

 私は、夏に『ウエズレーの国』という絵本を読みました。ちょっと変わった男の子のウエズレーが、不思議な花を育てて、文明を作ってしまうお話です。
 私は、ウエズレーはかわった男の子だけれど、文明を作って町の男の子たちにそんけいされて、仲間をたくさんつくったところが一番面白かったです。
 私も、不思議な花の実をしぼってジュースにする機械を作ったり、日時計を作ったりしたウエズレーのことをすごいと思いました。
 私も、不思議な植物を育てて、洋服やカップを作ったりしたくなりました。
 そこで、私も物語を作りました。物語作りで工夫したところは、登場人物の一人ひとりの性格をくわしく書いたところです。あと、不思議な植物の『ピレク』も、花、くき、葉の一つ一つの色や形、手ざわり、におい、味をていねいに考えました。
 私は、この物語を完成させて、もっと物語を作ってみたくなりました。私と同じように、『ウエズレーの国』を読んで面白いと思った人にも、自分で想像した植物の物語を書いてもらいたいです。

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 最優秀賞を受賞なさった3人のかたには賞状と5000円ぶんの図書カードをお送りいたします。
 あらためて、おめでとうございます!