2019年01月01日

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2018年12月10日

読書探偵作文コンクール2018 優秀賞・ニャーロウ賞 全文掲載

 優秀賞を受賞なさった伊井悠馬さん、森島大賀さん、相良杏さん、ニャーロウ賞を受賞なさった寺川太一さんの作品全文をご紹介いたします。
 なお、最終選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。
読書探偵作文コンクール2018 最終選考結果発表

(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。――読書探偵作文コンクール事務局)
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◎優秀賞
伊井 悠馬さん(小6)

読んだ本――『ギリシアの神々の物語』 ロジャー・ランスリン・グリーン作 山本まつよ訳 子ども文庫の会
『超おもしろ環境クイズ』 スティーブ・スキッドモア作 浅野万里子訳 金の星社
ギリシアの神々の物語              
ギリシアの神々の物語
超おもしろ環境クイズ
超おもしろ環境クイズ

【作品】
「ギリシャの神々の物語」
伊井 悠馬

 ゼウスは久しぶりに神々の神殿から地球を眺めていた。彼がクロノスやティタンたちと戦い勝利した後に地球を再建してから、ずいぶんと月日が流れた。ゼウスはその後の地球の変わりように驚いた。いたるところで環境問題が発生し、地球はこのままいくと汚れた天体になってしまう。何人かの神々に頼んで、地球をより住みやすい星に再生する必要がある。
 温室効果ガスがあるおかげで地球は凍らずにすんでいる。しかし、人間がさらにガスを作り出したおかげで、地表の閉じ込められた熱の量が増加し、地球の大気の温度が上がっている。そうなると日照りにより水不足が起こったり、世界中の産業も影響を受けてしまう。そこでゼウスは、風の神であるアネモイを呼んだ。するとアネモイはほっぺたをふくらませ、口から大量の突風を吐き出して、ガラスの屋根のように地球をおおっている温室効果ガスを吹き飛ばした。これにより北極や南極の氷が解けることも止まり、海面の高さが上がることもなくなった。
 地球上の人間・動植物すべて、水がなければ生きていけない。けれども人間は工場から出る有毒な化学物質や油を川や海に捨てて大切な水を汚している。さらに、田畑にまいた農薬や化学肥料が土にしみこみ、地下水に混ざって、水を汚している。日常生活でも、例えば色々な洗剤やシャンプー、また汚物や台所の生ごみが海や川を汚している。ポセイドンは全ての海を支配している。白馬に引かせた戦車に乗り、水中から姿をあらわしたポセイドンは人間のやることを見て怒り狂い、キュクロープスから送られた三又の矛を使って嵐や津波を引き起こし、地球をゆすぶって地震をおこし、その裂け目に汚水を全部流しいれてしまった。おかげで汚水処理設備が不十分で汚れた水を飲んでいたひとたちも救われた。
 世界のエネルギーのほとんどが石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料から産出されているが、これには限りがある。この危機を核燃料の利用で解決するには大きなリスクが伴う。そうなると自然の力を利用することが考えられるが、その中でも太陽が次のエネルギー源として注目を浴びる。そこで太陽神のアポロンが登場し、太陽の光をもっと強くしたり、太陽を二つに増やしたりして、エネルギー危機を救う。太陽の光が強すぎて耐えられない人々のためには、ゼウスはデウカリオンに命じて船を作らせ、野生のもの全ての守護神であるアルテミスを呼び、人々と絶滅種の獣たちをその船に乗せた。そして、それらを一旦人間や生物に適している別の星へ送った。
 なお、野生動物の取引を禁止又は制限したワシントン条約を無視して、希少動物を血眼になって追い求める人間を、メデューサが住む館へと連れて行き、彼らをその輝く目に魅せられて石にしてしまった。彼らは自分達の欲の深さを後悔したがもう手遅れであった。彼らは自分たちの姿を隠す兜も持っていなかったし、メデューサの姿を映し出す盾もなかった。翼のあるサンダルを使って逃げ出すこともできなかった。
以上
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◎優秀賞
森島 大賀さん(小3)

読んだ本――『魔法のスリッパ』 ディック・キング=スミス作 三原泉訳 あすなろ書房
魔法のスリッパ
魔法のスリッパ

【作品】
「しあわせなスロゲットさん」
森島 大賀

「まほうのスリッパ」という本を読みました。スロゲットさんというおじいさんが、いつもとちがう新しいスリッパを友人のロットさんのくつ屋さんへ行き、一ポンド安く買いました。そして、それをはくと、わかい時のように力がぐんぐんわいてきて、頭もさえてきました。
 もしスロゲットさんではないちがう人だったら、スリッパのまほうを自分のためだけに使ったり、自まんのために使うかも知れません。オリンピックの全しゅ目で金メダルをとることもできるし、色々なクイズ番組の景品全部をもらうこともできそうだと、スロゲットさんははじめのうちから気づいていました。しかし、スロゲットさんは、そのように使いませんでした。また、もし悪い人だったら、 人より強くなるので、人をいじめたり悪い事に使うかも知れませんが、やはりスロゲットさんはそのように使いませんでした。だから、ぼくはスロゲット様とよびたいぐらいすてきな人だと思います。
 物語では、他の人にスロゲットさんのスリッパを使わせる場面があります。しかし、何もこうかがないのです。なぜスロゲットさんだけがまほうを使えるのかなと思いました。ぼくはスロゲットさんが選ばれた人だからだと思います。なぜ選ばれた人かと言うと、前に書いた通り、スロゲットさんは、悪いことに使わない心を持っているからです。
 それではいったい何に使ったかというと、おくさんを楽にするために、クイズ番組で一〇〇ポンドをもらい、せんたくきを買ってあげました。また、自分がけがをしてもいいという思いで、交通じこから子供を守ったりするのにも使いました。そんなスロゲットさんをとてもいいと思います。
 子供を助けたあと、スリッパはぼろぼろになって、かわもやぶれて使えなくなりました。しかも、スロゲットさんの足が二本おれて、入院をすることになってしまいました。もし、スリッパがこわれていなかったら、スリッパを足にはめてまほうで治ったかも知れません。でも、スリッパがこわれていてそのことはざんねんでした。しかし、スロゲットさんは、子供を救ったことがよほどうれしかったようで、わらった顔をしていました。
 これを読んだ時、あらためてやさしい人だと思いました。なぜならざんねんがる人も多いはずだからです。たとえば、もうこれい上金メダルをもらえないとか、クイズ番組の景品をもらえないとか、自まんができないと考える人も中にはいるかも知れません。
 しかし、スロゲットさんならば、元の生活にもどってもしあわせにくらすと思います。また、スリッパがあった時も、さらにスリッパを手に入れる前も、同じようにずっとしあわせだったと思います。
 作者が言いたかったことは、スロゲットさんのようなやさしい気持ちがあれば、ずっとしあわせでいられるということだと思います。
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◎優秀賞
相良 杏さん(小1)

読んだ本――『なずず このっぺ?』 カーソン・エリス作 アーサー・ビナード訳 フレーベル館
なずず このっぺ?
なずず このっぺ?

【作品】
P1
なずず このっぺ
さく カーソン・エリス
むしごやく アーサー・ビナード
にほんごやく さがらあん

P3
なあに これ?
はっぱだよ、きっと。

P4
やっほー!

P7
なあに これ?
ハート みたい。
ほんとに ハート?
はっぱだよ きっと。

P9
はしご ほしい。
そうだね。
コロジン よぶ?
(コロジンは、おじいちゃんのなまえだとおもう)

P10
コロジン! コロジン!
コー! ロー! ジーン!

P12
コロジン あのさ
はしご ほしい。

P14
みんな……

P15
はしご きたあ!
はしご きたあ!

P17
おうち ほしい。
そうだね!
そうだねーーー!
おうち たてよう。

P20
おうち たてようーーー!

P23
おうち できたね!

P24
あみ?

P25
あみ!
ぜったい あみだ!
おうち くずれるかな……

p28
や……
っ……
ほー……

P29
あ……
み……
あみが くずれた!

P30
なあに それ?
ル……
おーい コロバン!
(コロバンは、おばあちゃんのなまえだとおもう)

P31
ルン……

P32
ルンバボン!
ルンバボン!
すごい ルンバボン!
ルンバボン!
すごい きれいな ルンバボン!
(ルンバボンは、はなのなまえだとおもう)

P33
ルンバボン!
すごい きれいな ルンバボン!

P34
やっほー みんな。

P35
やっほー コロジン。
やっほー コロバン。

P37
やっほー おうち……

P47
なあに これ?

P48
やっほー!

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◎ニャーロウ賞
寺川 太一さん(小2)

読んだ本――『たんけんクラブ シークレットスリー』 ミルドレッド・マイリック作 小宮由訳 大日本図書
たんけんクラブ シークレットスリー
たんけんクラブ シークレットスリー

【作品】
「ぼくもたんけんがしたい!!」
寺川 太一

 ぼくは、「たんけんクラブ・シークレットスリー」を読みました。前に一どこの本を読んだことがあったけれど、すごくおもしろかったので、もう一どかりて読みました。
 この本は、海べにすむ二人の男の子ビリーとマークが、とうだいにすむトムと出会ってたんけんするお話です。
 ぼくが、一ばんおもしろいと思ったところは、海のみちしおとひきしおのなみにのせてうまく手紙をおくったところです。ぼくだったら、友だちに手紙を書いたらちょくせつ会ってわたします。ぼくもこんなふうに手紙をもらったら、すごくウキウキワクワクするだろうなと思いました。
 その手紙は、ひみつのあんごうで書かれていました。本にあんごうひょうがのっていたので、ぼくはなんとか手紙が読めました。ビリーとマークとトムは、ヒントもないのに自分たちで手紙をかい読できたから、天才だと思いました。ぼくの家のきんじょの女の子が、時どきポストに手紙を入れてくれます。ぼくあての手紙やは書がとどいたらすごくうれしい気もちになります。友だちの手紙は、いつもローマ字で書かれているので、あんごうみたいでぼくは、読むのにすごく時間がかかります。だから、いつもおかあさんに読み方を教えてもらいます。読むのはつかれるけど、さいごまで読めていみがわかった時は、すごくうれしいです。
 三人は、出会ってからいっしょにキャンプをしたり、たんけんをしたりします。ぼくは、まだキャンプをしたことがないので、行ってみたいなと思いました。十日間ぐらい知らないがいこくにフェリーにのって行ってみたいです。そこで、おたからさがしのたんけんがしたいです。ごはんは、ぎゅう肉のバーベキューをして、ぼくがとくいなキュウリのサラダをつくってたべたいです。よるになったら、花火をしてキャンプファイヤーをします。ぼくは、ロシアのコサックダンスのものまねがとくいなので、みんなの前でひろうしたいです。テントの中では、トランプゲームをしたり、本を十さつぐらい読んでねたいです。朝おきたら、またおたからさがしのつづきをします。すごくたのしみです。
 いえでこの本の話をしていたら、おとうさんが小学生の時に自分で考えたあんごうを教えてくれました。小学生であんごうを考えたおとうさんは、天才だと思いました。さいごに、そのあんごうをつかってかんそう文を書きます。読む人もがんばってあんごうをかい読してください。
 ら1・あ2・な4・わ3・な5・な1・
 た3・や1・さ3・ま2・は1・か1・
 ざ5・か3・だ4・カ2・ャ1・ワ3・
 パ3・が1・さ2・た1・あ2・だ4・
 さ3。
    た1・あ2・た2・や3・ら2。
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 優秀賞を受賞なさったかたには賞状と1000円ぶんの図書カードを、ニャーロウ賞を受賞なさったかたにはニャーロウからの賞状とプレゼントを、来春開催を予定している授賞式で贈呈いたします。
 あらためて、おめでとうございます!

2018年12月01日

読書探偵作文コンクール2018 最優秀賞 全文掲載

 最優秀賞を受賞なさった盛永維さん、八木遼乃輔さん、小峰眞子さんの受賞のことばと作品全文をご紹介いたします。
 なお、最終選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。 
読書探偵作文コンクール2018 最終選考結果発表

(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。――読書探偵作文コンクール事務局)
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◎最優秀賞
盛永 維さん(小5)

読んだ本――『のっぽのサラ』パトリシア・マクラクラン作 金原瑞人訳 徳間書店
のっぽのサラ
のっぽのサラ

【受賞のことば】
 今回の受賞は、昨年の授賞式で選考委員の先生方や他の受賞者とふれあう機会があって、他の人の本の楽しみ方を知ることができたからだと思います。この作文で五感を使って、本には書かれていない登場人物の感情を感じることができたことが私の新しい本の楽しみ方です。これからも、いろいろな本の楽しみ方を見つけ、想像をふくらませながら外国の本を読んでいきたいです。本当にありがとうございました。

【作品】
「家族をつなぐ色」

 盛永 維

 この本は「のっぽのサラ」という本だ。大草原に住む、パパ、ママ、アンナの家族に弟のケイレブが生まれる。しかし、ケイレブが生まれた時にママは死んでしまう。ママが死んで何年かたった時、パパは新しいママになってくれる人を新聞の広告で募集した。そこで海のあるメイン州からやってきたサラは、歌を歌うことが好きで、シチューを作るのが得意だ。灰色のアザラシちゃんというネコも連れてきたが、故郷の海がこいしくてたまらない。だが、みんなのことが大好きになっていき、やがてパパと結婚してみんなは家族になる。
 この物語は、まだ自動車よりも馬車が多く走るような昔の話で、私には白黒の世界しかイメージできなかった。でも、読み進めていくと色や手ざわり、音やにおい、味を感じることができた。
 たとえば、サラが初めてアンナ達のところへやってくる場面だ。手紙のやりとりはしたが、アンナ達は自分のママになるかもしれない人がどんな人か気になって、本当にママになってくれるか不安に思っていた。そしていよいよ遠くから馬車に乗ってやってきた、サラの頭には黄色い帽子。サラのこの帽子の黄色は周りを明るくしてくれるサラらしい色。待っていたアンナやケイレブにとってはたまらなくうれしく、安心する色だったと思う。アザラシちゃんの灰色は、冬の海のような灰色で、なんでも見のがさないすきとおった目も黄色。アンナ達がアザラシちゃんをすぐに好きになったのもよく分かる。
 サラはアンナ達にお土産を持ってきた。それは、小さな貝がらと毎日海に洗われた白いつるつるした石だ。貝に耳をあてるとアンナやケイレブには波の音が聞こえ、すきとおったきれいな海が見えてくるようだ。サラはその音を聞くと安心するし、少しさみしくもなる。つるつるした白い石を見ているとザブーンという海の音が聞こえてくるよう。サラに帰ってきてもいいんだよとサラをアンナ達から引きはなそうとしているようにも思える。
 嵐の場面では暗く、冷たい。しかし、みんなでねむる干し草のベッドは少しチクチクしているが、フカフカしていてあたたかく感じる。
 サラが家にやってくると、草原はあたたかく家族を包みこみ、みんなを安心させる。初めて食べるサラのシチューは、アンナがママに作ってもらった、そして今までアンナがていねいに作っていたママのやさしい味とは違っていた。でも、やさしいにおいがしてて元気の出る味で、モクモクと何杯でも食べてしまいそう。
 サラが町から色えん筆を買ってきてくれる場面では、アンナとケイレブはサラが海をこいしくなって帰ってしまったのではないかと不安になる。サラが海の灰色、緑、青を買ってきたのは、きっとサラがいろいろな見方で海を見ていたからだと思う。灰色は、暗くさみしい冬の海の色。緑は、深い緑でみんなを包みこんでくれる海の色。青は、きらきらかがやくすきとおった海の色。青だけではなくいろいろな海の色をさがすことのできるサラの心は、広くきれいなのだろうと思う。サラはきっと、アンナとケイレブに一方的な見方ではなく、いろいろな物の見方のできる心の広くきれいな子に育ってほしいと思っているのだろう。アンナとケイレブもその思いがとどいてサラのことがさらに好きになり、ママになってほしいと感じて家族になったのだと思う。
 普段のように書いてあることだけを読むだけではなく、色や手ざわり、音やにおい、味をあらわす言葉から想像をふくらませていくと、本に書いてある登場人物の感情だけではなく、他の感情を感じることができ、登場人物のとった行動につなげることもできた。これからも、このような本の楽しみ方で外国の本をたくさん読んで新しい世界を感じたい。

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最優秀賞
八木 遼乃輔さん (小5)

読んだ本――『床下の小人たち』メアリー・ノートン作 林容吉訳 岩波書店
『ニルスのふしぎな旅』セルマ・ラーゲルレーフ作 山室静訳 講談社
床下の小人たち
床下の小人たち
ニルスのふしぎな旅
ニルスのふしぎな旅

【受賞のことば】
 入選することができて、とてもうれしい。予想外の結果で今も驚いています。ニルスとアリエッティのはなしは、小人の冒険とふだんの生活を書いたものでも結果は全然ちがう。でも、その違いを比べることで、ニルスとアリエッティの本を見る視点が変わり、別の意味でおもしろさを発見できた。気になったところは読み返してみる。すると頭の中で映像のように思い出せるのはとても楽しい。

【作品】
「ニルスとアリエッティ」

 八木 遼乃輔

 ニルスの視点は上空から地上を見下す視点である。いたずらっ子のニルスは家畜をいじめてばかりいたので妖精のトムテに魔法をかけられ、小人にされる。ここから彼の冒険が始まる。おかげでガチョウのモルテンの背中に乗って上空から自分がふだんくらしている場所を眺めることができるようになった。ガンの群れにも出会った。このあたりから、上から下を見ることが多くなり、たくさんの動物と話すことになる。その中には悪賢い動物もいた。特にキツネのずる公はガンを食べようとして色々なわなをしかける。ニルスは助けようとするが、自分自身が小人なので、力がなく、かなわない。それでもあきらめずに知えを使い、なんとか友達になったガンを救うことができた。彼は自信がついた。実はこうやって危機に立ち向かっていくうちに、人生経験を積み、また空を飛びながら旅をすることで、ニルスの視点は広がっていき、自分が行った昔のおろかな行いを反省して、人間として成長していく。たとえば、スモーランドの北部のあれ地にある農家でめウシのおかげでねる場所を確保できたとき、ヨルバイザーのさとう工場で一緒だったオーサとマッツ兄弟の小屋にいたずらをして火をつけたことを後悔して、できれば彼らに心からおわびをしたいと考える。さらに、その農場では一人ぐらしで病気のおばあさんが死んでいくのをぐう然見かける。とてもこわかった。けれども、おばあさんが一人ぼっちでさびしく一生を終えたのをめウシから聞いて、考えを変え、彼女をできるだけなぐさめてやろうと讃美歌の本を出して小さい声で歌ったのです。そして彼は自分の両親のことを思い出し、彼らにめいわくばかりかけてきたことを反省した。スカンセン公園では、キツネのずる公もつかまって飼われていた。彼はニルスたちにめいわくなことばかりしてきた。それでもネズミ退治のためにキツネを使う計画を聞いたニルスはキツネに訳を話して、島に行く方がキツネのためになると説得したのだ。
 一方、小人のアリエッティの家族は床下でくらしている。床下に住むアリエッティにとって、彼女の視点は下から上を見上げるものだ。アリエッティの家族は小人の生活に必要な物を地上にいる人間の家から持ってきている。上に住む人間とは自分達の生活必じゅ品を借りてくる存在であり、絶対に関係をもってはいけない禁断の存在なのだ。人間に見つかったら、住み場所を変えなければならない。さほど人間をおそれている彼女の視点はきょうふの視点とも言える。このお話は子供から大人への成長物語ではないが、アリエッティには自分の両親や家の危機を自分なりに救おうとする家族愛がある。両親の言いつけにも関わらず、病気療養のために上の家にやってきた男の子と友達になるのも、そのためだ。その男の子からアリエッティは小人の家族用の家具を提供してもらったが、逆にそれがあだになり、人間に見つかってしまう。とうとう、長年住んでいた地下から引っこすはめになった。しかも彼女たちはネズミとり屋にけむりを吹きこまれいぶし出されてしまい、間一ぱつのところをこの物語の語り手であるメイおばさんの弟の機転に救われて、あやうくにげ出したのだ。
 両親の言うことを聞かない、やんちゃぼうずのニルスの物語がハッピーエンドに終わったのと比べると、両親に協力して自分達のくらしをより楽しいものにしようと努力したアリエッティの物語は反対の結果を招いたわけだ。それでもアリエッティのお話がぼくに暗い感じを与えなかったのはなぜでしょうか。それはこの語り手であるメイおばさんのちょっと人をつきはなしたような、それでいてユーモアを交えた語り口調である。例えば、アリエッティの家族がどうやって次の住まいと予定していたアナグマの巣への道が分かったかたずねられると、「ガス管のおかげさ。管を埋めるとき、ほりだした土がちゃんとおさまらないで、そこだけ地面がちがって見えるもん」といった具合である。きっとアリエッティ一家は新しい住まいで、本能のまかせるままに、借りぐらしを楽しんでいるにちがいない。

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◎最優秀賞
小峰 眞子さん(小2)

読んだ本――『いじめっこ』ローラ・ヴァッカロ・シーガー作 なかがわちひろ訳 あすなろ書房
いじめっこ
いじめっこ

【受賞のことば】
 ある日の夕方、ことみちゃんとあそんでいると中で、家に入ると、ママは電話をしていて、パパが、「すごいことになっているよ」としらせてくれました。とてもびっくりしました。
 つぎの日から、いろいろな人に、「おめでとう」「すごいね」と言われて、うれしくなりました。なによりもうれしかったのは、わたしの大すきな人たちが、え顔になってくれたことです。これからも、がんばります!

【作品】
「いじめっこにはならないで」

 こみね まこ

 小さいうしが、大きいうしとけんかをした。小さいうしは、大きいうしに、
「あっちいけ!」
といわれた。
 いやなきもちになった小さいうしは、ちっちゃい子をいじめればいいんだと思って、うさぎや、とりや、かめに、
「ちび!」とか、
「ぐず!」とか、
「ぶた!」とか、
いって、いじめはじめた。
 いやなきもちは、どんどんふくらんで、小さいうしの体も、どんどん大きくなっていった。
 ところが、やぎに、
「いじめっこ!」
といわれた小さなうしは、ハッと、われにかえり、体が、シュルシュルシュルと、ちっちゃくなっていった。そして、
「ごめん。」
と、みんなに、あやまり、なかなおりをした。

 小さいうしは、大きいうしのまねをして、いじめっこになったのだけれど、わたしは、大きいうしも、だれかにいじめられて、まねをしたのかな?と、思った。いやなきもちは、めにはみえないけれど、どんどん大きくなっていってしまうもの。
 だから、じぶんがされていやなことは、だれにもやっちゃ、いけないんだよ。

 この本は、文がみじかくて、文字が大きくて、よみやすかった。
 やぎのせりふが、「めえ〜」の文字だけ、めだっていることに、きづいたとき、すごくおもしろかった。
 いまから、としょかんに、おなじさくしゃの本を、さがしにいってくるね。

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 最優秀賞を受賞なさった3人のかたには、来春開催を予定している授賞式で、賞状と5000円ぶんの図書カードを贈呈いたします。
 あらためて、おめでとうございます!

2018年11月28日

読書探偵作文コンクール2018 最終選考会レポート&総評

 最終選考会のもようをお伝えします。

 当日は3名の最終選考委員が、1次選考を通過した13作品を1作品ずつ検討していきました。みなさんが読んだ本を参照しながら話し合いを重ねた結果、今年は最優秀賞3作品、優秀賞3作品、ニャーロウ賞1作品が選ばれました。
 入賞した7作品については、後日、こちらのサイトで全文を掲載する予定です。
 最終選考委員のみなさんから、1次選考を通過した作品への感想やアドバイスをいただきましたので、ご紹介します。ぜひ、これから文章を書くうえでの参考にしてください。


相良 杏さん(小1)
読んだ本――『なずず このっぺ?』 カーソン・エリス作 アーサー・ビナード訳 フレーベル館
なずず このっぺ?
なずず このっぺ?

宮坂「アーサー・ビナードさんが虫語訳、自分が日本語訳という発想がおもしろいです。意味も通っているし、言葉の統一も取れているし、すばらしい翻訳だと思いました。用語集や、自分で考えた虫語や、虫語で書かれた感想も楽しく、想像力の豊かさに驚かされました」
越前「誰もやりそうにないことをやっているすごさがありますね。まったく新しいものが来たのがうれしいです。翻訳を翻訳するという、翻訳書のコンクールとしては理想的な作文だと思いますし、翻訳とは何かということを考えさせられます。この絵本を隅から隅まで楽しんでいるのを感じました」
ないとう「最初に作文だけを読んだときにはよくわからなかったのですが、その後に絵本を読んで納得しました。きっと何度もこの絵本を読んでいるのでしょうね。自分なりの解釈がお見事で、この絵本を見てみたいという気持ちをかきたててくれる作文です」


小峰 眞子さん(小2)
読んだ本――『いじめっこ』 ローラ・ヴァッカロ・シーガー作 なかがわちひろ訳 あすなろ書房
いじめっこ
いじめっこ

越前「低学年の作文では〈です・ます〉を使うことが多い中、〈だ・である〉で書いていますが、そのリズムが力強くて、読んでいて心地よかったです。ちょっとした詩のようにも感じられました。段落の構成のしかたもうまくて、全体的に言葉の力を感じる作文です」
ないとう「シンプルな絵本ですが、絵の中の牛の大きさやヤギのセリフに注目するなど、自分なりに読み解いていますね。そもそもいちばん大きい牛がだれかにいじめられていたのではないかと、思いをはせているところがすばらしいです。本の向こうに書かれていることまで読み取っているのを感じました」
宮坂「絵も字もよく見ていることに感心しました。牛の体が小さくなるときに「シュルシュルシュル」という独特な表現を使っているところや、文章をきちんと推敲しているところもいいですね。同じ作者の別の本も読みたいという気持ちがうれしかったです」


寺川 太一さん(小2)
読んだ本――『たんけんクラブ シークレットスリー』 ミルドレッド・マイリック作 小宮由訳 大日本図書
たんけんクラブ シークレットスリー
たんけんクラブ シークレットスリー

ないとう「本を楽しんだことが伝わってくる、生き生きとした作文です。自分の体験がわき出てくるように書かれていて、無理に入れたのではなく、本の内容とうまくからみ合っているのを感じます。最後に、お父さんからおそわった暗号が出てきますが、誰も知らない言葉でメッセージを書くというのはやっぱり魅力的なんですね。息子さんからこんなにほめられて、お父さんは幸せだと思います」
宮坂「タイトルからも、この本を読んでワクワクし、自分も探検がしたくなったという気持ちがよく伝わってきます。近所の女の子がくれるローマ字の手紙、きゅうりのサラダ、コサックダンスなどの話題から、太一さん自身にも興味がわきました。審査員たちにつきつけている暗号も楽しいです」
越前「!!の入ったタイトルにふさわしい作文で、楽しんで書いているのがわかります。暗号もおもしろかったです。本と暗号が好きなことはよくわかるのですが、もう少し本の内容が書かれているともっといいですね」


三原 真理愛さん(小2)
読んだ本――『ふしぎなガーデン』 ピーター・ブラウン作 千葉茂樹訳 ブロンズ新社
ふしぎなガーデン
ふしぎなガーデン

宮坂「絵をよく見ていますね。「まっくらくらな町」「大大大人気」など、言葉の使い方がおもしろくて、読んでいて楽しい作文です。育てたトマトを家族に食べてもらったときのうれしさも伝わってきましたし、自分の住む町への思いなどはたのもしく感じました。「ふしぎ」という言葉にひかれてこの絵本を手に取ったそうですが、これからもおもしろそうなタイトルの本にどんどんチャレンジしてほしいです」
越前「リズムがよく、擬声語や擬態語がうまく使われていると思います。自分の体験と本の内容のバランスがいいですね。自分の体験が裏付けになり、読んだ人がより本を読みたくなるような作文です。絵を見て読み取る感性のすばらしさも感じました」
ないとう「ミニトマトが「11個」という細かい数字を覚えているところに、育てたものに対する愛情の強さを感じます。「足をにょきにょきはえさせ」など、絵本自体にはない擬人化された表現もおもしろくて、よかったです」


りんりんさん(小3)
読んだ本――『魔法のスリッパ』 ディック・キング=スミス作 三原泉訳 あすなろ書房
魔法のスリッパ
魔法のスリッパ

越前「スロゲットさんの魅力が、第1から第4までにわけてよく書かれています。自分の体験への導入が自然で、言葉遣いなどから、本をたくさん読んでいることが感じられました。分析のしかたもおもしろいです」
ないとう「なぜスリッパがスロゲットさんにしか力を発揮しないのかという疑問に対して、自分なりに考えて答えを出しているところがいいですね。自分が大事に使っているものとして、ふでばこのことを書きたかったのでしょう。話がやや飛んでいますが、「少しまほうがかかっているのかもしれません」という結びの言葉はしゃれていますね」
宮坂「印象に残ったところを整理して、具体的にあげているのがよかったです。自分が魔法のスリッパを持っていたらどうするかと考えて素直な気持ちを書いているところもいいですね。10個のふでばこのエピソードがおもしろくて、もっとくわしく知りたくなりました」


森島 大賀さん(小3)
読んだ本――『魔法のスリッパ』 ディック・キング=スミス作 三原泉訳 あすなろ書房
魔法のスリッパ
魔法のスリッパ

ないとう「どういう話なのかということが、よく書かれています。ただ説明的に書くだけではなく、「スロゲット様」のようなおもしろい表現もところどころにあるのがいいですね。分析が優れていて、スリッパを燃やしたことに対して自分なりに読み解き、結論を出しているのがよかったです。全体のまとまりもよくできています」
宮坂「スロゲットさんの優しさに的を絞って書いていて、とてもわかりやすかったです。いいことをしたスロゲットさんに素直に感動している気持ちが、ストレートに伝わってきました。作者の言いたかったことまで考えているのがすばらしいです」
越前「読書を豊かな体験にしてそれを人に伝えるということができていて、文章を書き慣れているのを感じました。本の内容と自分の感想が筋道立てて語られていて、評論の一歩手前と言えるくらいの書き方ができているのがすばらしく、まとめ方もきれいです。1冊の本を自分の血や肉にしていく吸収力を持っていると思います」


佐藤 彩花さん(小4)
読んだ本――『魔女がいっぱい』 ロアルド・ダール作 清水達也、鶴見敏訳 評論社
魔女がいっぱい
魔女がいっぱい

宮坂「ダールの作品をたくさん読んでいるようですね。その魅力が整理して説明されていて、よく分析できていると思いました。悪役がひどいいじめにあうのが爽快という感想が正直でおもしろかったです。作文から、お母さんとの仲の良さもうかがえました。「ぼく」は、かぎ括弧でくくったほうが物語の主人公を指していることがわかりやすいと思います」
越前「ダールの作品の特徴をよくとらえています。実体験に関して言うと、自分にひきつけて書かれていていいところもある反面、入れなくてもいいところもあるように思いました。ひとりの作家を追いかけるのも読書の楽しみ方のひとつですね。こういう作文をどんどん書いてほしいです」
ないとう「ダール作品は人気で、毎年応募があります。わたしは彩花さんのお母さんと同じで、ときどきぎょっとしてしまうところがあるのですが、この作文を読んだら、大人の常識を壊すようなダールの魅力がよくわかって、子どもたちに人気があることに納得しました。悪役が魅力的という書きにくそうなことがしっかり書かれているのもいいですね。本を読んでみたくなる作文です」


蒋 鈴音さん(小4)
読んだ本――「シャーロック・ホームズ全集」 コナン=ドイル作 各務三郎訳 偕成社
シャーロック・ホームズ全集
シャーロック・ホームズ全集

越前「登場人物の名前がおもしろいですね。どんな秘密が隠されているんだろうと、読んでいて興味がわきました。ミステリーが好きで、物語をとても楽しんでいることがわかります。できれば、途中に出てくる暗号の答えも教えてほしかったです」
ないとう「色々な発想が頭の中にわいてきていることや、書くのが好きなことがうかがえました。思いついたことを全部書くのではなく、創作ノートのようなものを作って書くことを取捨選択すると、もっと整理されて読者に伝わりやすい文章になりそうです」
宮坂「シャーロック・ホームズに触発されて、想像をふくらませ、探偵団の物語を楽しんで書いていることが伝わってきました。ストーリーが奇想天外でおもしろかったです。ネーミングや、絵文字を使っているのもユニークですね」


溝口 怜果さん(小4)
読んだ本――『あなたが生まれるまで』 ジェニファー・デイビス作 槙朝子訳 小学館
あなたが生まれるまで
あなたが生まれるまで

ないとう「お母さんに対する感謝が素直につづられた作文で、これを読んだらお母さんはうれしいだろうなあと思いました。エピソードがとてもほほえましかったです」
宮坂「お母さんのことが大好きな気持ちが伝わってきて、ほのぼのとしました。自分が生まれたときのことをお母さんと話している様子がうかがえます。正直な気持ちがつづられているのがいいですね」
越前「文章全体に勢いがあって、読む人に伝える書き方ができていると思います。作者への質問も的確です。本の中身についてはあまり書かれていませんが、本を読んでみたくなりました。絵からもいろいろと考えさせられて、おもしろかったです」


盛永 維さん(小5)
読んだ本――『のっぽのサラ』 パトリシア・マクラクラン作 金原瑞人訳 徳間書店
のっぽのサラ
のっぽのサラ

宮坂「あらすじがすっきりとわかりやすく、いつの時代の話かということも紹介されていて、この本を知らない人をきちんと意識して書いているのを感じます。色や手ざわり、音やにおい、味を表す言葉から想像をふくらませるという視点がおもしろく、そこから登場人物の感情を読み取っているところがユニークです。細かいところまでひとつひとつよく見ていることに感心しました」
越前「続けて応募してくれていますが、今回は色やにおいなどを切り口に物語を味わっていて、新しいことに取り組むすばらしさや1年間の成長を感じました。読む人を意識してわかりやすく説明しているところや、中途半端に自分の話を出さないところもよかったです。感想から評論へ一歩踏み込もうとしているように思います」
ないとう「最初に読むときはストーリーを中心に追うと思うのですが、色がクローズアップされていることに気づいていて、本を何度か読み返してまとめた作文なのではと思いました。毎回発想や表現がユニークな作文を書いてくれていましたが、今回はそうではない方向に行っていて、おとなしめではあるものの、むしろ成長を感じます。構成などを吟味しながら書いたことが伝わってきました」


八木 遼乃輔さん(小5)
読んだ本――『床下の小人たち』 メアリー・ノートン作 林容吉訳 岩波書店
『ニルスのふしぎな旅』 セルマ・ラーゲルレーフ作 山室静訳 講談社
床下の小人たち
床下の小人たち  
ニルスのふしぎな旅
ニルスのふしぎな旅

越前「上から見ることと、下から見ることという視点に注目して、2つの作品を比較するという発想がすばらしいですね。言葉の豊かさから、本をたくさん読んでいて、読書が身についているのを感じました。文体論にも踏み込んでいることに、レベルの高さを感じます」
ないとう「ニルスとアリエッティを比べることを思いついたのがすばらしいです。2つの話が交錯しないままなのがやや残念ですが、それぞれの話を上手に紹介できていると思います。書き間違いと思われるところがあったり、段落分けを工夫できそうなところがあったりするので、作文を読み直してこれらを直すと、もっと自分の考えも整理されて評論になりそうです」
宮坂「2つの作品の比較が斬新でおもしろかったです。同じ小人の話でも視点がまったく違うことに気づかされました。全体的に文章が上手ですし、ニルスが成長の物語でアリエッティが家族愛の物語であるという自分なりの分析もいいですね。アリエッティの物語のメイおばさんの口調に対する評価が的を射ていて、観察眼があるなあと感心しました」


矢代 千佳さん(小5)
読んだ本――『クローディアの秘密』 E・L・カニグズバーグ作 松永ふみ子訳 岩波書店
クローディアの秘密
クローディアの秘密

ないとう「秘密が大きなテーマですが、なかなか読み取るのが難しい本だと思うので、中に書かれていることをよく読み取ってまとめていることに感心しました。『遠い山脈』という別の本の例がやや唐突なので、もう少しその本の内容がわかるように書くともっとよかったと思います」
宮坂「出だしの工夫がいいですね。興味をひかれます。あらすじがすっきりまとまっていますし、疑問点に対して自分なりの答えを出しているのもよかったです。秘密が持つ力に注目し、それについて考えているところに、物語を深く読めているのを感じました」
越前「導入のしかたがうまいと思います。秘密を持つというと悪いことのような気がするのに、その魅力に注目する発想がおもしろいです。単なる感想にとどまらず、疑問をぶつけたり、他の本と比較をしていたりするのが読書の幅の広がりにつながりそうで、読んでいて気持ちがいい作文でした」


伊井 悠馬さん(小6)
読んだ本――『ギリシアの神々の物語』 ロジャー・ランスリン・グリーン作 山本まつよ訳 子ども文庫の会
『超おもしろ環境クイズ』 スティーブ・スキッドモア作 浅野万里子訳 金の星社
ギリシアの神々の物語              
ギリシアの神々の物語
超おもしろ環境クイズ
超おもしろ環境クイズ

宮坂「2冊の本を読んで、組み合わせて創作するという発想が斬新ですね。ストーリーがよく考えられていて、空想とはいえ、問題意識を高め、解決方法を自分なりに考えているところがよかったです。文章もしっかり書けていると思います」
越前「やや強引なところもありますが、読書の喜びとともに、知識を獲得する喜びを伝えてくれている作文だと思います。読者に元の作品との関係がわかるようにしてもらえるともっとよかったですね。中身については、それぞれの神々にしっかり対応していると思いましたし、納得できることばかりでした。これを深めた小説を将来書いてほしいくらいです」
ないとう「わたしもギリシア神話は大好きなのですが、もっと暗いイメージを持っていて、こういう発想がなかったのでびっくりしました。導入がかっこよくて、まるで映画のスターウォーズのような壮大なイメージがわきました。やや都合がよすぎるところとおもしろいところと、両方ありますが、何より楽しんで書いている感じが伝わってきます」

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【総評】

越前「今年もみなさんが力いっぱい書いてくれた作文を読み、紹介された本を何冊も読みたくなりました。どうもありがとう。本を読むことで世界がひろがり、書くことでさらにひろがっていきます。このコンクールでは、学校で教わった形にとらわれず、目の前にある本のおもしろさを思いきりわたしたちに伝えてください」

ないとう「今年もたくさんのすばらしい作文をありがとうございました。どの作品からも「本を読んで楽しかった!」という気持ちが、しっかり伝わってきました。また、同じ作者のべつの作品を読みたい、同じテーマの作品を読みたいと書いてくれた人もいて、とてもうれしかったです。そうやって、いろいろな方向へ興味が広がっていくのは、まさに読書の楽しみですね。来年もまた、みなさんの大好きな1冊を紹介してください」

宮坂「今年も審査になやみました。どれが入賞してもおかしくないくらい、すばらしい作文ばかりだったので! 感想文、創作、翻訳、評論など、形式もバラエティゆたかでした。読んでいると、紹介された本だけでなく、作文を書いたみなさんにもとても興味がわいてきます。来年はどんな子がどんなふうに外国の本のおもしろさを伝えてくれるでしょう? 今から楽しみにしています」
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最終選考会_books.jpg

 力のこもった作品をおよせくださったみなさん、ありがとうございました。
 今後こちらのサイトでは、みなさんが読まれた本を順に紹介していく予定です。おもしろそうだな、と思った本があったら、ぜひ読んでみてください。
 そして、来年もたくさんのご応募をお待ちしております。6年生のみなさんは、どうぞ中高生部門のサイトもご覧くださいね。

2018年11月24日

読書探偵作文コンクール2018 最終選考結果発表

 お待たせしました! 読書探偵作文コンクール2018の最終選考結果を発表いたします。

 今年は128作品の応募があり、第1次選考で13作品が選出されました。11月20日に行われた最終選考会で、選考委員の越前敏弥さん、ないとうふみこさん、宮坂宏美さんにじっくり話し合っていただいた結果、今年の入賞作は以下の7作品に決まりました。
 入選されたみなさん、おめでとうございます!

最優秀賞 盛永維さん (小5)「家族をつなぐ色」
最優秀賞 八木遼乃輔さん (小5)「ニルスとアリエッティ」
最優秀賞 小峰眞子さん(小2)「いじめっこにはならないで」

優秀賞  伊井悠馬さん (小6)「ギリシャの神々の物語」
優秀賞  森島大賀さん (小3)「しあわせなスロゲットさん」
優秀賞  相良杏さん (小1)「なずず このっぺ?」

ニャーロウ賞 寺川太一さん (小2)「ぼくもたんけんがしたい!!」

 
 入賞されたみなさんには、来春開催予定の授賞式で、賞状と副賞(最優秀賞受賞者には5000円ぶん、優秀賞受賞者には1000円ぶんの図書カード、ニャーロウ賞受賞者にはニャーロウからのプレゼント)をお渡ししたいと思います。
 また、応募してくださったみなさんに、後日、参加賞と第1次選考委員からの個別コメントをお送りいたします。

  今年も各地からたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。感想文、評論、創作、絵や手紙を添えたものなど、さまざまな形式の作文を、選考委員一同楽しく読ませていただきました。読まれた本のジャンルもさまざまで、応募者のみなさんの興味の幅の広さに感心しています。好きな作者やジャンルの本を続けて読むのもいいですし、時にはいつもとちがったタイプの本に挑戦してみると、また新しい発見があるかもしれません。気になる本をどんどん読んで、おもしろかった本のことをぜひまたわたしたちに教えてください。来年のご応募も楽しみにしています。

<入賞者が読んだ本>
いじめっこ  のっぽのサラ 床下の小人たち  ニルスのふしぎな旅 なずず このっぺ? 魔法のスリッパ ギリシアの神々の物語  超おもしろ環境クイズ たんけんクラブ シークレットスリー

2018年11月03日

読書探偵作文コンクール2018 第1次選考結果発表!

 今年も読書探偵作文コンクールに多数のご応募をいただき、ありがとうございました。
 応募総数は128作品でした。

 お待たせいたしました。第1次選考の結果を発表いたします。
 4名の第1次選考委員でみなさんの作文をじっくり読ませていただいた結果、以下の13作品が第1次選考を通過しました。おめでとうございます!
(ご本人の希望により、一部お名前をペンネームで記載してあります。)

相良 杏さん   小1 『なずず このっぺ?』
小峰 眞子さん  小2 『いじめっこ』
寺川 太一さん  小2 『たんけんクラブ シークレットスリー』
三原 真理愛さん 小2 『ふしぎなガーデン』
りんりんさん   小3 『魔法のスリッパ』
森島 大賀さん  小3 『魔法のスリッパ』
佐藤 彩花さん  小4 『魔女がいっぱい』
蒋 鈴音さん   小4 「シャーロック・ホームズ全集」
溝口 怜果さん  小4 『あなたが生まれるまで』
盛永 維さん   小5 『のっぽのサラ』
八木 遼乃輔さん 小5 『床下の小人たち』『ニルスのふしぎな旅』
矢代 千佳さん  小5 『クローディアの秘密』
伊井 悠馬さん  小6 『ギリシアの神々の物語』『超おもしろ環境クイズ』

 最終選考の結果は11月下旬にこちらで発表する予定です。
 楽しみにお待ちください。

なずず このっぺ?
なずず このっぺ?

いじめっこ
いじめっこ

たんけんクラブ シークレットスリー
たんけんクラブ シークレットスリー

ふしぎなガーデン
ふしぎなガーデン

魔法のスリッパ
魔法のスリッパ

魔女がいっぱい
魔女がいっぱい

シャーロック・ホームズ全集
シャーロック・ホームズ全集

あなたが生まれるまで
あなたが生まれるまで

のっぽのサラ
のっぽのサラ

床下の小人たち
床下の小人たち

ニルスのふしぎな旅
ニルスのふしぎな旅

クローディアの秘密
クローディアの秘密

ギリシアの神々の物語
ギリシアの神々の物語

超おもしろ環境クイズ
超おもしろ環境クイズ