2024年01月01日

こちらは「読書探偵作文コンクール 小学生部門」の公式サイトです。

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【も く じ】
事務局からのお知らせ
★オンラインイベントのご報告と「読書探偵作文コンクール」終了のお知らせ ←NEW!
2022年度 選考結果発表
2022年度 最終選考会レポート&総評
2022年度 最優秀賞 全文掲載
2022年度 優秀賞・ニャーロウ賞 全文掲載
読書探偵作文コンクール2022 募集情報
読書探偵作文コンクール 過去の結果
過去の受賞作
読書探偵の読書ファイル(応募者のみなさんが読んだ本)
読書探偵作文コンクールとは 〜小学生のみなさんへ〜
読書探偵作文コンクールとは 〜中高生のみなさんへ〜
読書探偵作文コンクールとは 〜大人のみなさんへ〜
読書探偵作文コンクール 紹介用フライヤー(ちらし)
選考委員からのメッセージ
ご賛同いただいた方々
【イベント】「 2021年度最優秀作品を選考委員が語る!」 ←録画公開中
【イベント】「 2020年度最優秀作品を選考委員が語る!」 ←録画公開中
「ドクタン2019夏のイベント」開催レポート
「読書探偵作文コンクール」が本になりました!
読書探偵ニャーロウの部屋
ニャーロウのなかまたち
ニャーロウ(と、なかまたち)の「この本、どうかニャ?」

「読書探偵作文コンクール 中高生部門」は、こちらからどうぞ!

2023年12月31日

オンラインイベントのご報告と「読書探偵作文コンクール」終了のお知らせ

3月26日(日)、オンラインイベント「2022年度最優秀作品を選考委員が語る!」を開催しました。
「読書探偵作文コンクール2022」の最優秀作品について、小学生部門、中高生部門の最終選考委員5人が語りあいました。
YouTubeで録画を公開していますので、どうぞご視聴ください。

イベント名: 2022年度最優秀作品を選考委員が語る!
開催日:   2023年3月26日(日)

出演:  越前敏弥、ないとうふみこ、宮坂宏美(以上、小学生部門最終選考委員)
     金原瑞人、田中亜希子(以上、中高生部門最終選考委員)

視聴方法: 下記URLにアクセスしてください。

https://www.youtube.com/watch?v=VafzACWlQAs

なお、イベント内でご報告いたしましたとおり、「読書探偵作文コンクール」は今回をもって終了することとなりました。

より多くの子どもたちに翻訳書を手にとってもらいたいという思いから2010年にスタートし、これまでに2000作あまりの作品をお寄せいただきました。
ご応募くださったみなさま、長年応援してくださったみなさま、ありがとうございました。事務局一同、心より感謝申しあげます。

当コンクールは終了しますが、これからも若い読者のみなさんに翻訳書とのすばらしい出合いがたくさんあることを願っています。

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2023年05月24日

2023年1月〜3月会計報告

2023年1月〜3月の収支報告をいたします。

<収入の部>
 
 前年繰り越し
98,006円
 出版にともなう収益
639円
 アフィリエイト
4,049円
 小計
102,694円
 
 
<支出の部>
 
 企画諸経費
1,599円
 賞品関連経費
75,505円
 通信費、振込手数料等
12,656円
 小計
89,760円
 
 
総計(残高/2023年3月末)
12,934円

勝手ながら、残金12,934円から振込手数料214円を差し引いた全額12,720円をJBBY日本国際児童図書評議会の「JBBY希望プロジェクト」に寄付させていただきました。
長年にわたって読書探偵作文コンクールをご支援くださったみなさまに、心より御礼申し上げます。

2023年03月08日

【イベント】「2022年度最優秀作品を選考委員が語る!」

「読書探偵作文コンクール2022」の最優秀作品について、小学生部門、中高生部門の最終選考委員5人が語りあうオンラインイベントを、下記の通り開催いたします。

ぜひご視聴ください。

開催日:2023年3月26日(日)
時 間:午後2時から3時ごろまで

出 演: 越前敏弥、ないとうふみこ、宮坂宏美(以上、小学生部門最終選考委員)
     金原瑞人、田中亜希子(以上、中高生部門最終選考委員)

視聴方法:下記URLにアクセスしてください。
https://www.youtube.com/live/VafzACWlQAs

【お知らせ】参加賞を発送しました&参加賞クリアファイル2022

「読書探偵作文コンクール2022」にご応募くださったみなさま、ありがとうございました。
3月1日付で、応募者全員への参加賞を発送いたしました。
第1次選考委員からのコメントも同封しています。

「読書探偵作文コンクール2022」小学生部門の参加賞は、このクリアファイルです。

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ご応募くださったみなさま、お手元に届いているでしょうか。
応募したのにまだ届いていない、という方は、事務局までご一報ください。

なお、このサイトをスマートフォンでご覧の方は、もくじの「事務局からのお知らせ」内「プロフィール」欄に、事務局のメールアドレスが掲載されていますので、ご参照ください。

2023年01月25日

読書探偵作文コンクール2022 最優秀賞 全文掲載

 最優秀賞を受賞なさった大北隼矢さん、今林玲奈さんの受賞のことばと作品全文をご紹介いたします。
 なお、選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。
読書探偵作文コンクール2022 最終選考結果発表!

(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。――読書探偵作文コンクール事務局)

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◎最優秀賞
大北 隼矢さん(小6)

読んだ本――『クララとお日さま』 カズオ・イシグロ作 土屋政雄訳 早川書房
クララとお日さま
クララとお日さま

【受賞のことば】
 一年生の時から応募していた、大好きなコンクールの【小学生部門】で有終の美を飾れて、すごくうれしいです。
 最初は、まだ字の多い本が読めなくて、絵本の一行だけの感想文でした。毎年、読める本が少しずつ増えて、文章もだんだん長く書けるようになってきました。
 ぼくは、小さな頃から「なんで?どうして?」と考えることが大好きです。
 これからもいろんな本を読み、たくさん考えて、気付いたことを文章にしていきたいです。

【作品】
「受験勉強の合間に」


 「期間限定の友だちは、いる?」
 そう聞かれたら、困ってしまう。
 ぼくは、友だちと長く付き合っていきたい。そもそも、友だちって死んじゃうとか別れるとかは、確定していないものだし。やっぱり、すぐにいなくなっちゃうのなんて、いやだ。
 だから、「お友だちロボット(AF)とは、大人になってから出会えたらいいのに」と思ってしまう。大人の期間は長いけれど、ティーンエイジャーの期間なんて、とても短いからだ。
 この本を読むと、『トイ・ストーリー』や『鉄腕アトム』を連想する人も多いみたいだけれど、ぼくは犬と、『ワンピース』の「ドレスローザ」という、人とおもちゃが暮らす国を連想した。そして、どこかで読んだ「友だちロボットを作れるのは、アジア人だけ」という記事を思い出した。
 すごくおもしろくて、読みだしたら止まらなくなった。たいていの小説は、夜ふかしを一回すれば読めるのだけれど、この本は分厚いので、四回くらい夜ふかしをしてしまった。
 ぼくが一番すきな登場人物は、リックだ。嫌な感じの人に、みんなの前で勇気ある行動を取ったり、最後に納屋へ連れていってくれたりして、とてもやさしい。ぼくは、やさしい人が大すきだ。
 そして、ぼくは、ハッピーエンドが大すきなので、六部からの話はなくていいと思った。(作者さん、ごめんなさい)
 どうせなら、奇跡が起きたところで、幸せいっぱいのまま、終わってほしい。
 でも、六部があるのなら、ラストは、廃品置き場で放置(それとも、スクラップされるの?)じゃなくて、家族の手で電源を切るとか、家に連れて帰った責任として、ちゃんと看取ってから、終わりにしてほしい。
 本を読んだ後に、この本に関わっていた人のインタビューを見たり、聞いたりした。
 すると、いろいろな発見があった。 
  発見一 作者のインタビュー
 作者は、本を作る時に、絵本からたくさんの影響を受けたそうだ。
 そういえば、友達に、この本を勧めた時、「なにそれ? 絵本?」と聞かれたのを思い出した。
 「ううん。四三三ページもある小説」といったら、友達は、「えぇーっ!」とびっくりしていた。
 また、作者は、「AIが感動させたり、泣かせるようになったら危険だ」といっていた。 「本当に、それは怖いことなのかな?」
 もし、そんなことができるAIが生まれたら、ぼくは、友だちになってみたいと思った。時間を限定しない友だちに。 
  発見二、ほん訳者のインタビュー
 ほん訳者は、作者からの注文で、クララだけが使う言葉、「クララ語」を考えなければならなかったそうだ。
 「シャーピ鉛筆って、クララ語だったんだ!」と、ぼくは驚いた。ぼくの知らない商品だと思っていたからだ。
 他にも、クララが何をいっているのかわからいところがあったけれど、それはすべて、ぼくの知らない日本語だと思っていた。
 ほん訳者が、「聞きなれないけど、ピンとくる言葉」を上手に作っていることに気付いた時、ぼくは感動していた。
 また、ぼくは、タイトルの「お日さま」という言葉と、「さま」のひらがながいいなと思っていたけれど、最初は漢字だったのに、その後に偶然、ひらがなになったと知り、そんなことってあるんだと、驚いた。
  発見三、装丁をした人のインタビュー
 アメリカ、イギリス版の表紙は、オレンジ色に四角のデザインで、四角の中からお日さまが少し顔を出しているものだと知った。
 ぼくは、絵本っぽくて、あたたかい雰囲気の日本版の表紙が好きだ。
 一冊の本が出来るまでに、作者やほん訳者、装丁や校えつ、出版社の編集や営業、印刷所などの、いろいろな人が関わりあって、本を作っているのだと知り、すごくすてきなことだと感じた。
 最後に、作者は、世界のほん訳者がまちがいにくいように、イギリス英語ではなく、ほん訳しやすい英語を使っているのだという。受験が終わって時間ができたら、次は、英語版も読んでみたい。

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◎最優秀賞
今林 玲奈さん(小3)

読んだ本――『小さなトロールと大きな洪水』 トーベ・ヤンソン作 冨原眞弓訳 講談社
小さなトロールと大きな洪水
小さなトロールと大きな洪水

【受賞のことば】
 この度は最優秀賞に選んでいただきありがとうございます。
 受賞のきっかけを作ってくれた作者のヤンソンさん、ムーミンと仲間たち、そしてこの物語を日本語になおし紹介してくれた方々に心から感謝します。
 今回私は作文を書くことで、物語を何度も読み、本の世界に入っていきました。これからムーミンを読もうと思っている方もぜひ深読みしてみてください。最初は気づかなかった作者のメッセージに気付いたり、外国の文化についても分かり、もっと楽しくなるはずです。

【作品】
「T・ヤンソンとえい遠の仲間たち」


 私は読書の本をえらぶ時、本のうら表紙やおびのせつ明を読んで決める。この本には、「ムーミン童話の記ねんすべきだい一作」と書かれていた。これまでにも、ムーミンの本は何さつか読んだことがあったが、一作目からあらためて読みたいと強く思った。
 このお話は、小さなムーミンたちが、いなくなったパパと温かい場所をもとめて深い森をさまよい、出会ったみんなとたすけ合いながら、さい後はパパを見つけムーミン谷を作り出すというハッピーエンドで終わる。
 私がこれまでに読んだムーミンの話もだいたいハッピーエンドで終わる。小せつ家でたび好きのパパ、料理がとくいでやさしいママ、みんなと遊ぶのが大好きなムーミントロールの一家の所には、いろんなお客がやってくる。お客は小さかったり大きかったり、こわがりだったり、いろんなとくちょうを持つかわった生き物で、じけんもおこるけど、ムーミン一家は何をしてもいいという風に温かくうけとめてあげる。オノマトペでいうなら、と中でドキドキ・ワクワク、さい後はポカポカ・ニッコリというのがよくあるムーミンのお話だと思う。
 この『小さなトロールと大きな洪水』を読んだ時、ワクワクしたかんじがあまりなく、さい後もポカポカというよりキラキラしたかんじがした。なぜだろう。
 うら表紙をもう一ど見ると、「だい二じ世界大せんき、トーベ・ヤンソンが安らかさをもとめて書いた」と書いてあった。この話では、ムーミンたちは長い間、森をさまよいとほうにくれている。そしてさい後のさい後にとつぜん光にてらされ、明るい場面になる。私はこの長い間のくらさと不安と苦しみはせんそうを表しているのかなと思った。反対にさい後のキラキラした明るさは終せんのよろこびと幸せを表しているのかもしれない。森をさまよっている間ムーミンはさびしくてつらかったにちがいない。でも、パパを見つけるまであきらめなかったし、洪水にもまけなかった。ついに温かい場所についた時の安心とよろこびはどれほどだろう。いたる所に目をみはるほどきれいな花がさいている。ヤンソンさんはせんそうが終わったらきっとこんなふうに温かくキラキラした世界になるにちがいないと考えてこの本を書いたのではないか。
 さい後に、もしヤンソンさんが今ムーミンのお話を書いたら、どんなお話になるだろうか。今も世界には、せんそうやコロナや地球温だん化などの問題がたくさんあってとてもこわい。ヤンソンさんは、不安な時代だからこそ、とびっきり面白くて楽しい話を書くのではないか。そうして、世界の人々に楽しさとえ顔をとどけてくれると思う。
 そして、ムーミンたちがムーミン谷に来るいろんなお客をやさしくうけとめたように、すがたや考えが自分とちがっても、みんなで仲よくするんだよと私たちにやさしく教えてくれるにちがいない。

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 最優秀賞を受賞なさったおふたりには、賞状と5000円ぶんの図書カードをお送りします。
 あらためて、おめでとうございます!

2023年01月20日

読書探偵作文コンクール2022 優秀賞・ニャーロウ賞 全文掲載

 優秀賞を受賞なさった川上莉央さん、古市湊大さん、竹内一路さん、ニャーロウ賞を受賞なさったはるさんの作品全文をご紹介いたします。
 なお、選考結果につきましては、以下の記事をご覧ください。
読書探偵作文コンクール2022 最終選考結果発表!

(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。――読書探偵作文コンクール事務局)
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◎優秀賞
川上 莉央さん(小6)

読んだ本――『世界で一番の贈りもの』 マイケル・モーパーゴ作 マイケル・フォアマン絵 佐藤見果夢訳 評論社
世界で一番の贈りもの
世界で一番の贈りもの

【作品】
「クリスマスの贈りもの」


 私がこの本を手にとったきっかけは、あるバンドの曲でした。その曲でクリスマス休戦について興味を持った私は、学校の図書室で平和についての本を探していたところ、この本に出会いました。
 この本のタイトルは『世界で一番の贈りもの』です。私はこの本の中で二つの“世界で一番の贈りもの”を見つけました。
 一つ目は第一次世界大戦中のイギリスとドイツ両軍の間にもたらされたクリスマス休戦です。この休戦は両軍で定めたわけではなく、クリスマスを一緒に祝おうという気持ちが通じあって生まれたものです。もし誰か一人でも攻げきしていたらなかったであろう、奇跡のような出来事です。今はそれぞれの国の兵士として戦いの最前線にいても、元は教師や、楽団で楽器を演奏していた普通の市民。それぞれに大切にしている故郷や家族がいます。そんな人達が互いに殺し合い、自分自身もいつ死ぬか分からないという肉体的にも精神的にも苦しくて厳しい状況の中で、武器ではなく手をさしのべ暖かい握手を交わし、笑い合い話し合いお酒や食べ物を分け合う平和な時間。その時代に出会っていなければもっと違う関係になっていたかもしれない。そんな人達がなぜ戦わなければいけなかったのか。お互いに憎んだり恨んだりしているわけではないのに。戦争は改めて不幸なことだと考えさせられました。
 残念ながら幸せな時間は長くは続きませんでした。どちらの軍の兵士も、戦争が終わって早く家族のもとに帰れるよう願っていることは分かっているのに、どうしようもありませんでした。悲しいけれど、それが戦争なのだと思います。ですが、つかの間の思いやりに満ちた心あたたまる時間はイギリス・ドイツ両軍の兵士にとって“世界で一番の贈り物”だったにちがいないと思います。
 私が見つけたもう一つの“世界で一番の贈りもの”は『ぼく』からイギリス兵ジムの妻コニーに届けられた手紙です。この手紙は、『ぼく』ががらくた屋から買ったおんぼろの引き出しから見つけたもので、ジムというイギリス兵が妻のコニーに宛てて書いた、最後の手紙でした。その手紙には「ジムからの最後の手紙。千九百十五年一月二十五日受取。私とともに埋そうのこと」というメモがつけられていました。その手紙をコニーに届けると決めた『ぼく』はクリスマスの日に手紙に書いてある住所に向かいます。コニーが生きているか、そこにいるかわからないのに、いてもたってもいられなかったんだと思います。コニーは百才をこえ少々もうろくして施設にいましたが、『ぼく』が手紙を届けると顔中が喜びでかがやきはじめました。そして涙を流しながら『ぼく』に向かって『ジム』と語りかけます。『ぼく』をジムとまちがえてはいるけれど、クリスマスの日に手紙とともに自分のもとにジム(ぼく)が帰ってきてくれたことは、たとえそれが本人でなくても、コニーにとって“世界で一番の贈り物”だったと私は思います。
 今、私がこの感想文を書いている間もウクライナでは激しい戦いが続いています。一刻も早くロシア・ウクライナ両軍、両国民に、“世界で一番の贈り物”が届けられることを強く願っています。ジムのように大切な家族の元に帰れない人がこれ以上増えないように、そしてコニーのように大切な人の帰りを待ち続ける人がいないように。
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◎優秀賞
古市 湊大さん(小4)

読んだ本――『おおきな木』 シェル・シルヴァスタイン作 村上春樹訳 あすなろ書房
おおきな木
おおきな木

【作品】
「考えることが好きな人へ」


 ぼくはこの本と図書館で出会いました。かりてみて、読んでみたらとてもいい話だなと思いました。何度も読んでみたいと思い、買うことにしました。その後、何度も読んでいます。
 この作者、シェル・シルヴァスタインさんはとてもいい話を作ったと思いました。「なんでだろう」と読んだ人をなやませるところがいいなと思います。
 この本は、いつも木といっしょに遊んでいた少年が大好きだった木を切ってしまうお話です。少年は小さいころから木の所に来て、お話したり、お昼ねをしたり、かくれんぼをしたり、いろいろなことをして木と一しょにすごしてきました。でもある日、少年は、自分の家がほしいと木に言いました。木は、「家がほしいのならば、わたしの木の枝を切って作りなさい」と言いました。そして少年は言われた通りにしました。船を作りたいと少年が言いました。少年は言われた通りにして木を切りました。
 お話が終わった後、その後少年はどうなったのか、木はどうなったのか、気になります。ふしぎなことがいっぱいあります。なぜ少年は木の言う通りにしたのか。これの続きがあるのかしら?と思います。表紙にあるようにりんごを取って町に売るところの話がないのはなぜだろう。作ってもよかったのではないかなと思ったりします。
 心に残ったのは少年が木のみきを切ってしまうところです。このことがきっかけとなり、少年は大事な物を失ってしまったのではないかと思いました。他にもいっぱいありますが、特に印象的な場面が少年が木を切ってしまったところでした。
 これを読んでぼくだったら、大事な物は残すけれど、少年は大事なものはどうでもいいみたいな感じだと思いました。少年はなぜ木を切ってしまったのか今でもふしぎに思います。
 ぼくはこの本を考えることが好きな人に読んでもらいたいと思います。ぼくにもわからないことがたくさんあったので、いっしょに考えてくれるとうれしいです。
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◎優秀賞
竹内 一路さん(小1)

読んだ本――『ぺちゃんこスタンレー』 ジェフ・ブラウン作 トミー・ウンゲラー絵 さくまゆみこ訳 あすなろ書房
ぺちゃんこスタンレー
ぺちゃんこスタンレー

【作品】
「ぼくもぺちゃんこスタンレー」


 この本は、ぺちゃんこになったスタンレーが、そとをぼうけんしたり、おてつだいしたりするおはなしです。
 スタンレーが、ぺちゃんこになったあと、くうき入れに口をつけてからだにくうきをいれて、もとのかたちにふくらんだところがおもしろかったです。でも、ぼくは、スタンレーがぺちゃんこのままで、もとにもどらなくてもたのしそうだとおもいました。
 スタンレーは、ぺちゃんこじゃないとできないことができるようになったから、もし、ぼくがスタンレーだったら、まずは、よる、ねるじかんに、本のページのあいだにはさまって、ずっと本をよんでいたいです。どうしてかというと、ぼくは、本がだいだいだいすきなのに、いつも八じになると、おかあさんから「はやくねなさい。」といわれて、まだつづきがよみたくても、ねなくちゃいけないので、すごくざんねんだからです。
 それから、大きいふうとうに入って、とおくにすんでいるおじいちゃんたちのところにおくってもらいたいです。そうすれば、もしでんしゃがおくれてもおうちにいけるし、おじいちゃんたちといっしょに、かべにくっついてかくれんぼしたり、土にもぐってかせきをみつけたりできるからです。
 いえにかえってきたら、かべにくっついてささっとうごいてかぞくをびっくりさせたり、テレビやパソコンがこわれたらその中に入ってどこがこわれているかしらべて、なおしてあげたいです。それから、一人でねるのはこわいから、こっそりおかあさんのベッドに入っていっしょにねたいです。
 ぺちゃんこになったら、だれかにふみつぶされちゃうかもしれないから、ずっとぺちゃんこのままはちょっとしんぱいだけど、いちどでもいいからぺちゃんこになってみたいです。
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◎ニャーロウ賞
はる さん(小2)

読んだ本――『さかさ町』 F.エマーソン・アンドリュース作 ルイス・スロボドキン絵 小宮由訳 岩波書店
さかさ町
さかさ町

【作品】
「わすれよ科」


 「ぜんぶのことがサカサマの町があったらどんなに楽しいだろう!」この本を読んだぼくの感想です。この本に出てくる町の文字はぜんぶサカサマで書いてあって、家もサカサマにたっていて、車も後ろむきにすすみます。大人があそんでいて、子どもがはたらいています。お店では店員さんがお金をはらって、おきゃくさんはお金をはらわずにしょう品とお金をうけとってかえります。そんなふしぎな町のお話です。
 ぼくがこの本に教わったことは、たまにはわすれることも大事だということです。本の中で、学校のじゅぎょうに、わすれよ科という教科があります。そこでは先生が、いやなこととかしっぱいをわすれて前向きになったら今よりもっとしあわせがふえるかもしれないと教えていました。ぼくはそんなことを今まで考えたこともありませんでした。でもとてもよい考えだと思いました。たとえばぼくだったら、習っているサッカーでシュートをはずしちゃったことがあって、くやしい気持ちになったことがあります。けれどそのいやな気持ちをわすれてまたがんばったらゴールを決めることができて、うれしい気持ちがふえるということだなと思いました。いつもの学校や家では、わすれましょうとは習わないけど、わすれることってだいじなんだなと気付きました。
 当たり前をサカサマにしても、おもしろいこととかためになることがあるとわかったし、いつもの当たり前の中でもおもしろいことはあるから、ぼくの今までの当たり前と、さかさ町の当たり前を合体させたら、毎日がもっとおもしろくなるんじゃないかと思いました。これからは何かがあった時に、ここがさかさ町だったらどうなるんだろうなあと考えながら生活してみようかなって思います。
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 優秀賞を受賞なさったかたには賞状と1000円ぶんの図書カードを、ニャーロウ賞を受賞なさったかたにはニャーロウからの賞状とプレゼントをお送りします。
 あらためて、おめでとうございます!